KOREA「映画は映画だ!」
ソウル発の聯合ニュースが5日伝えたところによると、2月26日に韓国で封切られた日本映画「感染列島」( 韓国タイトル「ブレイム・日本滅亡2011」)が、輸入元KTHによって日本の映画製作会社の許諾なしに、20分余り削除されて公開されたことが分かり、問題になっている。
 KTH側は映画の結末まで恣意的に変更しており、日本側の公式抗議を受けて、本通りに戻すという醜態を演じた。


●この映画をめぐっては、韓国公開前から、左の映画ポスターとは別に、ソウル市内に「全世界が日本を見捨てた」「2月26日目撃しろ、日本滅亡」という大文字タイトルのショッキングなポスター(下の写真、2月22日撮影)が、あちこちに掲示されていました。

 かつて映画「日本沈没」ソウル公開の際も、市内バスのボディーに「ついに!、日本沈没」なんていう大宣伝文句がありましたね。しかし、映画の内容まで勝手に変えたというのは、韓国の日本映画公開では前代未聞。KTHは韓国の恥ですね。


 5日、韓国映画界によれば、KTHは「感染列島」138分のうち、21分ほどを削除し117分の映画に編集して、先月26日に封切りした。
 「感染列島」はKTHが映画業界に参入して初輸入した作品。致命的なウイルスが日本全体を荒廃化するという設定の災難映画だ。

 この映画ではもともと、ウイルスの被害を乗り越えた人物たちの話を結末に置くハッピーエンディングになっていたが、KTHはウイルスの被害状況が徐々に拡大することで映画が終わるように編集し直した。
 無断編集は、日本の製作会社である TBS(東京放送)には知らせないまま進行した。しかし、韓国版と日本オリジナル版の結末が違うということがTBS 関係者の耳に入り、問題が明らかになった。
 封切り2日前に、韓国版の結末が変更されたことが分かったTBSは、KTHに公式抗議をして元通りの形で上映するよう要求した。KTHは指摘を受けて、オリジナル通りの上映を約束したが、封切りが切迫した時点だったため、エンディング部分の2分ばかりを付け加えて、117分の編集版で劇場上映を始めた。オリジナル版は今月4日になって、映画館で上映されるようになったという。

KOREA「映画は映画だ!」
 TBS 関係者は聯合ニュースに送った資料で「上映時間が減ったうえ、結論まで変わったという知らせを聞いてびっくりして、KTHに抗議した」と述べ、「KTHはわれわれの要求を受け入れたが、編集されたバージョンで上映プリントを準備している状態なので、修正が不可能だという話だった」と語っている。
 TBSは「KTHの誤った行為は非常に残念だ。特に、結論を正反対に置き変えたことは、創作者の意図にも完全に反する。エンターテイメント業界の一員として、この問題を軽視するとか、見逃すことはできないと判断している。法律顧問から助言を聞き、状況を見守っている」と付け加えた。
 世界的に輸入映画を無断で編集して、上映時間を減らようなことは珍しいケースだ。特に「感染列島」のように、結論が変わって上映されるのは異例である。
 韓国の場合、1997年にルィックベソン監督の「第5元素」と、ハリウッド映画 「スピード2」を輸入元が任意に削除して、物議をかもした。2002年「アリ」も、一部が切られたまま、上映されたことがある。
 これに対して、 KTHの関係者は「TBSとのコミュニケーションに間違いがあって、起きたハプニングである。任意に編集された事項については、TBSの了解を求めた。現在は、日本が製作した本篇そのままに上映している」と述べている。


●このニュースは聯合ニュースの特ダネだったようです。配信1時間後に、「スターニュース」が追いかけ記事を掲載。それによると、試写会の席上、映画の一部が無断カット、改ざんされていることにTBS関係者が気づいて、抗議したのだそうです。この記事によると、KTH側は「事前に編集意思をTBS側に伝えたが、代理店を通しての話だったので、コミュニケーションが多少円滑でない部分があった」と”強弁”しています。これに影響されたのか、「スターニュース」は一連の事態を「寸劇」と見出しに取っているけど、そういうことじゃないでしょ。

 ちなみに現在は、オリジナル版が韓国内14映画館で上映中だそうです。「スポーツソウル」によると、問題を起こしたKTHは、インターネットのポータルサイト「パラン」を運営する会社です。