インドで初等教育が義務教育となったのは
21世紀になってから。
それでもなお、6年間の義務教育中
退学率4割という数字も語られている。
だから公立の小学校は、環境が整っているとは言えない。
いきおい皆私立学校をめざす。
そして私立学校はおおむね
英国植民地時代に設立された英国式学校であり、
当然ながら入れる生徒の数は限られている。
となれば、金あるいは権力を持った者の子弟に限られるのは必然。
だが金があればいいというものでもなく、
旧市街の下町の老舗の主人は
対象とならない模様。
なぜなら英語を日常的に喋るような階級には属していないから。
かたや
インドにおける女性の扱いは
いまだ酷いもので
女性がちゃんと教育を受けて自分の信ずる道を行きたければ
高等教育を受けるしかなく、
そのためには私立の学校へ行く他はない。
そういう現実を如実に感じている母親が
成功者であり男であるが故に鈍い父親に
小学校へ上がる娘の進路について大いなる懸念を表明し、
下町じゃダメ、上流階級の住むところに引っ越さねば、
というところから物語は始まる。
ーー映画はかなりコメディタッチの味付けだけれど、
シリアスに説明するとそういうこと。
で、
「親に教養が足りない」という理由で私立名門校への娘の入学を拒否されたんであろう両親が、
平等の観念から私立校にも課されている「貧民枠」を不正に使って入学をはかるのだが、