石破幹事長が、私利私欲のために自民党の幹事長として越えてはならない一線を越えてしまった。
閣僚人事とは内閣総理大臣の専権事項であり党人事とは自民党総裁の専権事項であるはずである。

しかし今回、石破幹事長は「安全保障法制担当大臣は辞退したい、幹事長は続投したい」の私利私欲を安倍総理との会談で意思表示する前に、報道機関に公言してポスト要求してまったのである。

これは明らかな自民党幹事長による閣僚人事の不当介入で自民党人事の不当介入と言えるだろう。

さらに、石破幹事長は「安倍総理と安全保障で考え方が違う、自分の考えを全部抑えてやってきた」と安全保障で安倍総理との意見相違と与党協議が不本意だったことを暴露してまったのである。

これは明らかな自民党幹事長から安倍総理への政策批判、安倍内閣への政策批判と言えるだろう。

これらを鑑みれば、遂に石破幹事長が私利私欲から来年の総裁選のために本性を表したと言える。
しかも、そのことは石破幹事長の発言の矛盾するポスト要求、矛盾する意見相違で明らかとなる。

石破幹事長が私利私欲を曝して超えてはならない一線を越えたことは終わりの始まりを告げよう。
[NHK 8月25日]石破氏 安保担当相は辞退 幹事長の続投希望
自民党の石破幹事長は東京都内で記者団に対し、来月の内閣改造の焦点の1つである安全保障法制の担当大臣について、「安倍総理大臣と考えがすべて一致している人が務めるのがいちばんいい」と述べ、安倍総理大臣から就任を打診されても辞退する意向を明らかにするとともに、幹事長の続投を希望する考えを示しました。安倍総理大臣は、第2次安倍内閣発足後、初めてとなる内閣改造を来月3日に行うことにしており、焦点の1つである安全保障法制の担当大臣には、安全保障政策に精通した自民党の石破幹事長を起用したい考えです。これに関連して石破氏は、東京都内で記者団に対し「私としては、来年の党の総裁選挙の準備などというつまらないことは考えておらず、安倍政権のため、日本のために、どう役割を果たせるかしか考えていない」と述べました。そのうえで石破氏は「政府や安倍総理大臣が掲げる政策を、党として支えるのは当然だ。しかし、担当大臣は安倍総理大臣と考えがすべて一致している人が務めるのがいちばんいい」と述べ、「国家安全保障基本法」の早期制定など、みずからが掲げる安全保障政策との整合性が取れないとして、安倍総理大臣から担当大臣への就任を打診されても辞退する意向を明らかにしました。また石破氏は、これに先立って民放のラジオ番組で「幹事長として衆議院選挙などに勝つことができた。ただ私は地方選挙で勝って初めて政権奪還は完成すると言ってきたし、今後、むつかしいといわれている各地の県知事選挙に勝てるようにすることは、私としてはやりたいことだ」と述べ、幹事長の続投を希望する考えを示しました。
[毎日新聞 8月25日]石破茂氏:安保相辞退の意向 幹事長続投希望を明言
自民党の石破茂幹事長は25日、TBSラジオの番組で、安倍晋三首相から打診された安全保障法制担当相への就任について、「首相と考え方が100%一緒の人が(国会で)答えるのが一番いい。そこは違うと一言でもいえば、国会が止まってしまう」と述べ、安全保障政策の方向性の違いを理由に辞退する意向を示した。一方で、「地方で勝って初めて政権奪還は完了する。(それが)私としてはやりたいことだ」と述べ、幹事長として来春の統一地方選を指揮したいという希望を明言した。石破氏は集団的自衛権の行使容認を巡る与党協議について「自分の考えを全部言っていたら、まとまらなかった」と述べ、「限定容認」にとどめた7月の閣議決定に不満をにじませた。幹事長続投に関しては「つらく厳しいが、自民党支持者から(続投を支持する)気持ちをいただいているのは非常にありがたい」と語った。来秋の党総裁選に立候補するかどうかは明言を避けたが、「そのときの状況による」と含みを持たせた。首相は今週中にも石破氏と会談し、幹事長交代と安保担当相就任を改めて要請するとみられる。首相周辺には、石破氏が辞退した場合、無役にすべきだとの声が出ている。
[東京新聞 8月26日]石破幹事長続投に意欲 安保相辞退を明言
自民党の石破茂幹事長は二十五日の民放ラジオ番組で、九月第一週の内閣改造で新設される安全保障担当相人事について「安倍晋三首相と考え方が百パーセント一緒の人が(国会で)答弁するのが一番いい」と、就任を求められても辞退する意向を明言した。幹事長の続投には意欲を示した。石破氏は安保政策の法整備をめぐり、首相と意見に違いがあると認めた上で「(閣僚が)政府の中で話す時は、首相と寸分たがわないことが大事だ」と指摘。「(首相と考えが)違うとひと言でも言えば、国会審議が止まってしまう」と、閣僚として安保政策の推進を担う考えはないと強調した。来春の統一地方選に向けては「党を挙げ、きちんと勝てるようにして初めて政権奪還は完成する」と、幹事長として陣頭指揮を執ることに意欲を示した。石破氏は集団的自衛権の行使容認を含む安保政策を包括的に規定する「安全保障基本法」の制定を唱えているのに対し、首相は慎重な立場を取っている。石破氏もメンバーとしてかかわった集団的自衛権の行使容認に関する自民、公明両党の協議については「自分の考えを言ったらまとまらなかった。全部抑えてやってきた」と述べた
[産経新聞 8月25日]法王、訪韓後の機上で「少女連行、利用された」
自民党の石破茂幹事長は25日のTBSラジオ番組で、9月上旬予定の内閣改造・党人事に関し、安倍晋三首相から新設の安全保障法制担当相への就任を求められても辞退する意向を明言した。幹事長続投を希望する考えも示した。石破氏は安保担当相について「首相と考えが百パーセント一緒の人が国会で答弁するのが一番いい」と述べた。安保担当相として国会答弁に立てば、安保政策をめぐる首相との違いを野党から追及され「国会が止まる」とも指摘した。来年春の統一地方選に関し「地方できちんと勝てるようになって初めて政権奪還は完成する。私としてはやりたいことだ」と語り、選挙を統括する幹事長職にとどまりたい姿勢を見せた。
[時事通信 8月25日]石破氏、安保相辞退を明言=希望は幹事長続投
自民党の石破茂幹事長は25日のTBSラジオの番組で、安倍晋三首相から就任を打診された安全保障法制担当相について「首相と100%(考えが)一緒という人が(国会で)答えるのが一番いい」と述べ、辞退する意向を明言した。また、幹事長続投を希望することも表明。首相は近く、石破氏と会談して安保相を改めて打診するとみられるが、調整は難航しそうだ。石破氏は、集団的自衛権行使を含む安全保障政策を包括的に規定する「国家安全保障基本法」の制定を唱えているが、首相は慎重な立場を崩していない。25日の番組で石破氏は「(首相答弁に)そこは違うと一言でも言ったら国会は止まってしまう」と述べ、入閣して首相の安保政策を支えることには消極的な考えを示唆した。また、来春の統一地方選に関し「きちんと勝てるようにしていくことを私としてはやりたい」と語り、幹事長として陣頭指揮に当たることに意欲を示した。

石破幹事長の発言について、矛盾するポスト要求、矛盾する意見相違とは下記のようにまとまる。

石破幹事長は、安全保障法制担当大臣は安倍総理と考え方が100%一緒の人であるべきとするが、幹事長は安全保障で安倍総理と考え方が100%一緒でないの人でも良いと言うのだろうか。

石破幹事長は、幹事長として与党協議では自分の考えを全部抑えてやってきたと主張しているが、安全保障法制担当大臣として国会答弁では自分の考えを全部抑えてやれないと言うのだろうか。

つまり、石破幹事長は安保担当大臣を拒否できない自分の考えを全部抑えた実績が有るのである。
このことより石破幹事長は自分の考えを全部抑えれば、幹事長として与党協議をまとめた結果と同じく、安保担当大臣として国会答弁できるのに、安保担当大臣の就任を拒否しているのである。

もし、自分の考えを全部抑えることが嫌いとなれば安保担当大臣も幹事長も辞退が当然であろう。
しかし、石破幹事長は安保担当大臣の辞退に加えて、幹事長の続投までも要求しているのである。

こうなれば、今回の石破幹事長の発言とは私利私欲のための自分勝手なワガママとしか映らない。

石破幹事長は、幹事長を続投することで地方首長選挙に勝てるようにすると主張しているが、東京都議選以外の地方首長選挙では連戦連敗してきた実績からどのように勝てると言うのだろうか。

つまり、石破幹事長は幹事長を続投するために必要な地方選挙での勝利した実績が無いのである。
このことより石破幹事長は地方選挙の勝利で政権奪還は完了すると掲げても、幹事長就任以降の地方首長選挙で東京都議選しか結果を残さなかったのに、幹事長の続投を要求しているのである。

もし、現幹事長が地方選挙で連戦連敗続きであるなら責任を取って辞任することが当然であろう。
しかし、滋賀県知事選に負けようとも次の沖縄県と福島県を目標に続投を要求しているのである。

こうなれば、今回の石破幹事長の発言とは私利私欲のための自分勝手なワガママとしか映らない。

さらに、自民党幹事長という自民党総裁を補佐する立場であり党務を執行する立場にありながら、総裁と意見の相違を公言して総裁の人事に意見を公言する様は、権力の逸脱以外何者でもない。

それにしても、石破幹事長は安全保障で安倍総理と考え方が違うと言うが具体的に示していない。

石破幹事長が主張する「国家安全保障基本法」の早期制定であれ、国連の集団安全保障措置として国連軍や多国籍軍の参加であれ、一足飛びにできないことは始めからわかっていることである。

だからこそ、集団的自衛権の限定行使容認という閣議決定をすることで段階を踏んだわけである。
まずは、尖閣諸島占領と北朝鮮ミサイル発射、ホルムズ海峡封鎖という具体例に備えたのである。

現在のシリアやイラク、ウクライナなどの世界情勢を踏まえれば、集団的自衛権の全面容認して米国と一緒に他国と戦争したり、自衛隊を集団安全保障から国連軍に参加したりできるだろうか。

つまり、石破幹事長が主張する安全保障政策の手続き論は綺麗事であって現実的で無いのである。

このような私利私欲でワガママで綺麗事で自分勝手な石破幹事長を安倍総理はどうするのだろう。
それでも安倍総理が石破幹事長を無役でなく閣内に留めることができれば長期政権が確立しよう。


日本国の復権――論戦2014

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