またも「待ったなし」だけ主張して、選挙公約を破棄させるつもりなのだろうか。
これで「しょうがない」と諦めれば、消費税と同様に泣きを見るのは国民である。

国民にTPPのメリットとデメリットを全く説明せず、全マスコミの「TPP交渉に参加すべし」の連日の大合唱は余りに度が過ぎるのではないだろうか。

読売新聞、朝日新聞、日経新聞、毎日新聞、産経新聞と日替わりで「TPP交渉に参加すべし」と国民に吹き込めば洗脳できると考えているのであろうか。

福島原発事故以降、国民の多くが感じたことは、隠蔽や捏造や偏向などあらゆる手法を用いて一種の全体主義体制を確立している全マスコミの一斉報道である。

福島原発事故では、メルトダウンの事実を原子力ムラの意向から全マスコミが隠蔽したのである。消費税増税では、マニフェストに反対して官僚機構の意向で全マスコミが一体改革すべしと偏向報道したのである。

大飯原発再稼動では、原因不明のまま原子力ムラの意向で全マスコミが再稼動すべしと偏向報道したのである。今回も政権公約に反対して米国の意向で全マスコミがTPP交渉参加すべしと偏向報道したのである。

国を二分する大きなテーマになればなるほど「国民無視」が顕著になるのである。

国民の知る権利を奪い、選挙の結果を無視して、政権の公約に反対して、既得権の利権を代弁して、政治を政局にして、政治不信から国に災いを齎すのである。

議会制民主主義の原則である「政権政党は国民との公約を守る」を無視している。
報道機関の原則である「事実報道、客観報道、正確報道をする」を無視している。

ある意味、全マスコミが主張する既得権のための偏向報道に真っ向から対立する意見こそ国民のための主張と言えるのであり、全マスコミが攻撃する既得権の抵抗勢力こそ国民のための援軍と言えるのである。

今回のTPP交渉参加では、自民党の政権公約は「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加に反対する。」とTPP反対が国民との約束である。

しかも、自民党の政権公約はこれを含めて「6つの判断基準」を定めており、これらでTPP参加国と合意をしなければTPP交渉参加できないのである。

自民党HP:【FAXニュース】No.153 TPP交渉参加判断基準

これらを民主主義を守るため国民の知る権利を守るため正確に伝えてただろうか。

さらに、日本が関係する経済連携でTPP以外に、EUとEPA交渉、アジアとRCEP交渉、日中韓のFTA交渉などが進んだ事実を伝えているだろうか。

それ以前に、日本は世界的にも貿易自由化をしている国である事実を伏せて、TPP交渉参加国のほとんどと日本は経済連携協定を結んで貿易自由化している事実を伏せていること自体が偏向報道の極みである。

本日も、産経新聞が「TPP交渉 決断し「新しい自民」示せ」と主張しているが、米国のTPPにNOと言ってこそ「新しい日本」となると考えるのだが。

[2月17日 産経]TPP交渉 決断し「新しい自民」示せ
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加問題で、いま問われているのは、安倍晋三首相自身のリーダーシップなのである。

首相は、ワシントンで22日(現地時間)に行うオバマ米大統領との初の首脳会談に合わせて交渉参加を決断し、「新しい自民党」を国民に示す必要がある。

懸念されるのは首脳会談を前にした自民党の動きだ。党の外交・経済連携調査会がTPPに関する基本方針をまとめたが、これは米国側が「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対する」とした昨年末の衆院選公約堅持を改めて確認したものだ。

だが、これは票と既得権益で特定業界と結びついた、いわゆる族議員が幅をきかせた、かつての自民党ともダブる。それが国内改革を滞らせてきた側面もある。こうした状況が続けば、内実に乏しい「新しい自民党」に失望する有権者も少なからず出てこよう。

首相も首脳会談では米国の感触を探るにとどめる構えのようだ。「聖域の設定」が可能と判断した場合の交渉参加にも含みを持たせているが、7月の参院選に向け、農業団体や日本医師会などへの配慮が発言ににじむ。首相としてあまりにも消極的ではないか。

首脳会談の最大の眼目は、民主党政権下で亀裂が入った日米関係の修復と強化だ。TPPはオバマ大統領が一般教書演説で「交渉妥結をめざす」と明言するほど力を入れるテーマなのだ。

TPPは、中国の動きが活発化するアジア太平洋地域の経済秩序形成のカギとなる。中国をにらんだ場合、日本にも大きなメリットがあることを忘れてはならない。首相が目指す脱デフレにも、アジアの活力を取り込み、成長戦略の柱とする国内の規制改革を進めるてこになり得る。

政府の規制改革会議では、保険外診療を併用する混合診療の拡大や、農業への参入規制緩和などが議論される。医師会や農業団体の反発は必至だ。それらに抗せないのなら、金融緩和や財政出動で一時的に景気は浮揚しても、日本再生という大きな目的は、とうてい達成できまい。

TPP参加の前段階である交渉に加わるかどうかの議論でさえ、特定団体への配慮で立ち往生するようでは、安倍政権の成長戦略の先行きは危うい。

現在の状況では、国民が安倍総理のどちらの決断で「リーダーシップ」と評されるかといえば、日米首脳会談後の「TPP交渉に不参加」ではないだろうか。

これほど、全マスコミと全財界と野党から「TPP交渉に参加すべし」と責め立てられて、オバマ大統領もTPPで言及した中での交渉参加に反対である。

過去に一度たりとも、日本の総理大臣は米国にNOと言ったことがないのである。

おそらく国民は、全マスコミの連日の「TPP交渉に参加すべし」の偏向報道でTPP交渉参加は日本に不利だけどしょうがないと諦めかけているのである。

このような中で、安倍総理が日米首脳会談後に「日本を守るためTPP交渉に参加しない」と宣言したら、支持率がさらに上昇することは間違いないだろう。

つまり、参院選で「維新・みんな」に大勝して長期政権への道が開けるのである。

これが、産経新聞の冒頭の「いま問われているのは、安倍晋三首相自身のリーダーシップなのである。」から考えたシナリオとなるのだが、産経新聞の社説には全く逆のシナリオが描かれているのである。

日米首脳会談でのTPP交渉参加の決断が「新しい自民党」になると説いている。

一見すると「新しい自民党」とは正しい意味であるように勘違いするが、連想すれば「新しい自民党」=「TPP交渉に参加」=「政権公約に違反」=「嘘つき総理を拝命」=「安倍政権の崩壊」となるだろう。

つまり、産経新聞の「新しい自民党」とは政治混乱を招く悪魔のささやきである。

現状では、衆院選で大勝して政権交代を果たした自民党の国会議員378人のうちTPP反対派は233人となり、TPP賛成派は35人となっている。

このことは、政権公約を守ろうとする国会議員が大半で、政権公約を破ろうとする国会議員が少数であり、民主主義が正常に機能していると言えるだろう。

それにしても、日本の総理大臣が「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加に反対する。」と政権公約を守ることを国会で述べているのに、それに異議を唱えるとはどういう了見なのだろうか。

肝心なTPPのメリットも「アジア太平洋地域の経済秩序形成」だけなのである。

果たして中国を排除するTPPが経済秩序の形成になるのだろうか。中国がTPPに参加する可能性はゼロでありTPPでは経済秩序の形成にならない。

おそらくRCEPで中国包囲網を形成して経済秩序を形成するしかないのだろう。

果たしてTPPがアジアの活力を取り込むことになるのだろうか。中国もインドもASEAN5カ国も参加しない状況ではアジアの活力を取り込めない。

おそらくアジア全て参加のRCEPでアジアの活力を取り込むしかないのだろう。

つまり、アジアの経済秩序の形成にも、アジアの活力の取り込みにも、TPPでは役割が不十分な経済連携であり、むしろ存在自体がお荷物と言える。

TPPさえ無ければ、EUとはEPAを締結して、アジア諸国とはRCEPを締結して、米国とはEPAを締結して3市場の経済連携が完成したのである。

今からでも遅くは無いので、日本がTPPに参加しないことで、米国のTPP戦略を頓挫させて、日本が米国にEPA交渉を打診すればどうだろうか。

確定しているのは、日本がTPPに参加しなければTPPが破綻することである。

現状で、TPPは日本の国益にならない参加する必要のない経済連携協定である。
米国が6つの参加基準で合意しない限り、TPP交渉の参加に反対すべきである。

過去に一度たりとも、日本の総理大臣は米国にNOと言ったことがないのである。
安倍総理が「日本を守るためTPP交渉に参加しない」と宣言すれば英断となる。



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