思わぬ大反響になってしまってびっくりした
「包括契約の穴問題」。
Twitterで4000 RTくらいされて
Facebookでは、著名人の方々にまでシェアされたり
ニュース になったりで


皆さんの関心度の高さを実感しました。

それくらい
「音楽家へ正当な分配がされるべき」


と思って下さる方が
多いことに、とても救われる思いでした。


その皆さんの関心のおかげで
たくさんの方が記事をシェアしてくださったりして


JASRACの理事をしていらっしゃる作詞家の先生が
「見過ごせない」と
JASRACに相談をしてくださり



今日、 なんと

JASRACの会務部の方おふたりが
わざわざ私に会いに来て下さいました。



今回ニュースにまでなったことを
真摯に受け止めていらっしゃり、
正しく伝わっていなかったこともあるかもしれないとのことで、
また、今後何かできる対策がないかお話したい、と
初めて直接お会いする事になりました。



実際のところ


世の中にはずいぶん前から

「JASRAC=悪」


みたいなイメージがあって


皆さんもきっと

「悪のカスラックと果敢に戦う若手作家、いいぞやれ!!」


みたいな感じだと思うので
大変恐縮ですが、
元々のツイートを全部見ていただければ、JASRACがとてもいい仕事をしてくれてる面もあるので

あくまで
今後の時代、より増えて行くと予想される

「包括契約」というシステムの穴について



実際のところ、どういう徴収の仕方、配分の仕方をしてるのか

問い合わせてみたら、こういう回答で


実際の印税明細が、ライブでの使用料0円の時もあるんですけど


どういうことになっているのか
確認をした、という顛末です。





正直言いますと
私自身、この手のトピックで、よく見かていましたので
ちょっと怖いところ、、みたいなイメージもありましたが


2011年、JASRAC信託会員になって
ついた担当の職員の方が、あまりにもいい方なので
「神担当の方もいらっしゃるんだなぁ」

と、その担当さんのおかげで
「一概に悪」ではない、という認識ではありました。




が、ニュースにもなった通り
実際のやり取りから出た結論を、事実として出したんですけど


今日、もっと立場の上の方が来て下さり
いろいろ説明してもらったんですけど


どうやら、その電話対応をした職員の方が、たまたま
感じ悪かったのと
回答の仕方も、ちょっと間違っていたようなんです。


私が最も問題だ、と思った点は



「無作為に抽出されなかった店舗からの申請データは
 全く保管されていないし
 データが残っていないので調査もできない、分配も不可能。」


(ただし、しほりさんご自身で調べて全部申請していただければ分配します、ということでした)



それって、権利を管理する団体としてどうなんでしょうか?


ということも
色々確認の上、尋ねたんですけど
ちゃんとした回答が得られず、
おかしくない?と思って
FacebookやTwitteerで書かせていただいたんです。



この職員さんの発言自体が
そもそもちょっと間違っていたようです。


「無作為に抽出されなかった店舗からの申請データは
 保管していますし、分配されています。
 ただ、集計店舗から漏れると、分配されないことが多くなるのと
 申請してくれてる店舗がとても少ない」




というのが正確な事実だそうです。


そして


そのことを明らかにした上で



「大変申し上げ辛いのですが(初恋サイダーの)
 次期の(ライブハウス)使用料が、また0円なのです・・・
 大変申し訳ありません・・・・・」


と。


つまりですね


・たまたま運悪く、私の曲がカバーされたライブが集計店舗に入っていなかった




まぁまぁ、
集計店舗は、全国の中でもほんのちょっとなので、そんなこともあるでしょう。



ですが

ここが最大のポイントなんですけど、


・1つも、申請がなかったため、分配額が0円である。



これが
今日わかったもうひとつの事実です。



よっぽど運が悪かったようですね。


ここまで来たら、正直に申し上げましょう。



ここ1年くらいの印税明細を確認してみますと

・分配額が0円、の時もありましたし

・分配額が4万円弱 


くらいあった時もあります。


一回の使用料、そこから手数料を引かれて作家に入る額はほんのちょっとですから


4万円弱

というのも、まぁ結構集計された方だと思います。



でも、ライブハウスで毎日たびたびカバーされていて
たくさんの人から
そういう噂も聞いていて

の具合と


この、衝撃の「 0円 」


なるほど。



今期、1件も、申請されていなかったということなのですね。


JASRAだけの問題ではなく
ここにも、穴がありました。



うーむ。

私的には、もっと金くれ!

とは思っていなくてですね

というのも、ライブハウスでの使用料なんて本来さほどいかないものなので


そして、ライブハウス以外のところで
包括契約でなく集計されているものはきちんと分配していただいているので
まぁもらえたら嬉しいけど、もらえなくても生活に影響するレベルではないと思う。


ただ、
あまりに「歌われてる」現象を目にするわりに、この「0円」ってどういうこと?


という・・・これが包括契約の穴、といえるのではないでしょうか。


「包括契約」の問題って、私ひとりのことではなく
今後の音楽家にとって、死活問題になってくることなのです。


こういう、集計しづらい、Youtbeとかの動画サイト、
クラウド化とか、「音楽定額制」とかって
最近よくききますよね。


その辺の問題って、これからどんどん大きくなっていくのです。


そりゃーより安く音楽聴けるならラッキーだし
払わなくていいものなら払いたくないのが普通ですもの。



ただ、気持ちみたいなもの、になっていくのでしょうか。



皆さんが



「え、こんなに好きな曲で、いっぱい歌ってるのに
 ミュージシャンに還元されてないなんておかしくない!?」




と思ってくれる気持ちがある限り
何か、希望があるとも、今回感じることができました。



それからですね、


JASRACの方が


そういった、なかなかお金を払ってくれないところとか
曲の申請をしてもらえないところに
とても悩んでいて

「できるだけ音楽家の方に還元したいのに・・!!」


という思いを持っていらっしゃることを目の当たりにして
かなり感動しました。



「カスラック、と呼ばれても構いません。

でも、私たちは、皆さんが思われているような怖いところではありませんし

 何か著作権についてわからないことがあれば

なんでもいいので、気軽にお問い合わせいただいたり、ご相談いただきたいのです」




ともおっしゃっていました。


私も、実際お会いして話して
初めてわかることがいろいろありました。



確かに、全曲を申請するなんて大変ですし
せめて包括契約さえしていれば、
全曲を報告しなきゃいけない義務ではないので、

それが悪い事


とはいえません。



ただ、善意といいますか。


この、生き辛い時代をなんとか生き抜いている
がんばっている音楽家にとって


そういった
みなさんからの

「ぜひ自分の好きなミュージシャンに還元されてほしいな。応援したいな。」


という気持ちのおかげで
その蓄積で
生きて行くことができてたりするのです。


ので


誰が悪い

とか、

敵とか味方、とかいう問題ではなくて



まずは


私もこうしてちゃんと調べてやっと分かった事実があります。



そして
皆さんにシェアします。


そしてそれぞれ疑問に思うことや、不満に思うことは

JASRACの方々は
積極的にご意見を聞きたい、とのことですし


私たちの意見は

たとえば私がこうしてシェアして、皆さんからいただいたご意見などは
どんどんJASRACに伝えていこうと思いました。



そして、世の中に今流れている情報がほんとうに正しいのかどうか

よいわるい関係なく
けっこうみなさんの日常にもかかわってくることもありますので


ぜひ、それぞれ好きな、応援したいミュージシャンのことを考えてみてください。


特に
ライブハウスさん


楽曲ごとの申請が、1件もなかったとのことで
大ショックでしたが;^^



JASRACさんは
従来の、紙での書類提出だけではいけない、


ネットでの申請もできるように
去年か今年から、


J-OPUS


というシステムを導入しているそうです。


全曲の申請は、する義務ではないですけど


名古屋のサンデーフォークさんなんかはすごくて、
(私もよく出演している「ハートランドスタジオ」を経営している会社さん)


通常のブッキングライブのみならず
「栄ミナミ音楽祭」のような
使用料の発生しないフリーイベントですらも

全アーティストから、セットリスト集めて、全曲申請を出していらっしゃいます。



もう、全力でミュージシャンをリスペクトする姿勢というか
愛を感じるレベルですね。



会社に行く途中、通りすがりの人がなんか困ってた。



多くの人は見て見ぬ振りです。
助けなきゃいけない義務もないし。



でも、「何か力になれたらな」とふいに思って


「どうしましたか?手をかしましょうか」


と言ってくれるひとりの人がいたら



それですごく救われる人がいる、


そういう話に似てるかもしれません。



困った人の話でいえば
通りすがりの人の勇気と善意で、命が救われました!

ってこともありえますが。



音楽の印税というのも
いっこいっこはとても細かい


集計されても
1円にも満たない、なんてものが普通というか、よくあることですが


その大量の蓄積のおかげで
生きて行ける音楽家に


私も含まれているので



たかが1曲。



されど1曲。



時代をよき方向に変えるのは
ひとりひとりの、思いの蓄積だと思います。



ひとりひとりが、ちょっとだけ

この問題について、フラットに見つめていただけるきっかけになれば、嬉しいです。


最後に、

個人的には、0円だろうが(笑)


カバーして歌ってくれてることが、純粋に嬉しい!!



で、

出演者は、支払いの義務はありませんから
カバーしてくださってる方が悩んだり、不安になったりはどうぞしないでください。


そういったカバーしてくださってる方々の夢を使って
ビジネスにしている大人の方々には
ちょっと反省していただきたい、と思っております。



というわけで
長くなってしまいましたし

皆さんが望んでいた形かはわかりませんが



今日、JASRACの職員さんが、会いに来てくれて

直接話し合いをして
わかったことを、シェアさせていただきました。



おかしいんじゃない!?
とシェアしてくださった皆様に
そのさらに奥にあった新しい情報も、シェアしていただければ幸いです。



私も、知らないことがいっぱいありますが
これから、
自分のためにも、後進の音楽家の未来のためにも

少しでも、仕組みをよくできるよう
JASRACさんへ、随時意見していこうと思いますので


興味を持って下さった方は
お気軽に私へでもいいですし、JASRACさんも、お気軽にお問い合わせいただきたいです

とのことでしたので、ここにご報告致します。



一朝一夕で解決する問題ではなく
長く時間がかかると思いますが


みんなが音楽を好きでいてくださる気持ちがある限り
ちょっとずつ
よくしていくことは可能だと信じてがんばりますね。



それでは、明日のライブに備えてそろそろ休みます。


長文におつきあいくださりありがとうございました。




しほり。