囲碁サロン 天元 新宿 | 碁会所探偵シホ&クニ

碁会所探偵シホ&クニ

初段を目指すシホ&クニです。
碁会所で打つのが大好きな私たちが,
お世話になっている碁会所、
初めて行ってみた碁会所をご紹介します。

まずは、
明けましておめでとうございます。
今年も『碁会所探偵』をよろしくお願いいたします。
2014年も、
皆様の囲碁ライフがますます充実しますように。


さて、今年最初にご紹介するのは、
新宿の「天元」です。

シホは以前、Rっしさんが主宰する「マダム碁会」で、
こちらにお邪魔したことがあり、
とても賑わっていて、感じのいい碁会所だなあ、と思っていました。

クニが宝酒造杯で対局した男性が「天元」の常連さんで、
「遊びにいらっしゃい」
と言われていたこともあって、
実は昨年中に探偵をするつもりでした。

が、土曜に6人くらいで予約を入れたら、
満席で受け付けられず。

「人気があるのだなあ」
と驚きつつ、別の碁会所を探偵した、という経緯がありました。

でも今回は、金曜に予約したので、
大丈夫。

特に土曜は混むということなので、
皆さんも複数でこちらに行く時は、予約をした方がよさそうです。


場所は、JR新宿駅の「サザンテラス口」から徒歩3分ほど。
西新宿1丁目の交差点を左に入ります。





右手のビルには、
昨年10月にご紹介した「新宿囲碁センター」がありますね。

http://ameblo.jp/shiho-kuni/entry-11633534633.html



が、まずは腹ごしらえ。
交差点を曲がってすぐのところに、
お手頃な海鮮丼のお店があって(Rっしさんに教えてもらいました)、
ここでランチ。



※クニがばらちらし、シホが鮪アボカド丼。
 どちらも600~700円



※「天元」の並びにあります。
 24時間営業なんですね







「天元」があるのは、
ファミリーマートの隣のビルです。


満席ではないものの、かなりいっぱい。
一番奥の席に通されました。





シホクニで少し打って、
調査員のMしゅーが後から来たところで、
シホが席亭さんに取材開始。


席亭の森田昌宏さん(75)は、
静かでにこやかな紳士です。



※夫唱婦随の奥様と


元々、「天元」は新宿の西口にあり、
森田さんの高校時代の先輩が経営している店でした。

そこの常連だった森田さんが経営を引き継いだのが5年前のこと。
席亭となったと同時にビルを建て替えるということで、
新たに場所を探さなければならなくなって、
移ってきたのが今の場所です。


現在は五、六段の腕前ですが、
森田さんが囲碁を覚えたのは高校生の頃、とスタートは遅め。
お兄さんが打っているのを見て、ルールを覚えたそうです。

野村証券に就職してからすぐに胸の病気で入院し、
1年2ヶ月の間、何もすることがなかったので、
書見台に棋書を立てて勉強し、上達したそうです。
2年後に職場にカムバックした時には初段から二段、
会社の囲碁部に所属しました。

そこからしばらく棋力はそのままでしたが、
あるきっかけがあって、上達したといいます。

東京の某碁会所に二段として打ちに行った時のこと。
五段の人と3子置きで打ち、
相手の大石をとってしまったら、
その上手が
「オレがお前みたいな下手に負けるはずがない!」
と怒鳴り散らしたとか。
その姿を見て森田さんは
「勝敗にこだわるのはみっともない」
と思ったそうです。
その後は、負けた碁は並べ直して勉強をすることに専念。
それから棋力はみるみる上がったそうです。

初段近辺でウロウロし、
勝敗に一喜一憂するシホクニには、
とても参考になるお話でした。


40歳で野村証券から大塚家具に転職、
「かぶ屋からかぐ屋になった」森田さん。

平成7年1月17日、神戸の支社にいる時に、
阪神淡路大震災に遭うことに。
ご近所の方18人のうち8人が亡くなるような状況を経験し、
しばらくは囲碁を打つ気力もなかったそうです。
激しい揺れの中、大きなテレビも遠くに飛んでいったのに、
居間にあった愛用の足付き碁盤は微動だにしなかったとか。
その碁盤も、友人に譲渡しました。






※店内のそこここに絵や観葉植物があるのは、
 「かぐ屋」さんの経験から



関西と東京を行き来しながら、
平成11年には東京に戻ります。
117の数字を見れば震災を思い出しますが、
不動の碁盤を胸に置き、森田さんは再び石を持つように。

恵比寿の碁会所で打っていましたが、
そこが閉店したので、
高校の先輩が経営していると伝え聞いた、
新宿「天元」に通うようになったそうです。

69歳で退職すると、
引退を決めていた先輩に
「店を引き継いでくれないか」
と言われます。

以前から
「碁会所か本屋をやりたいと思っていたので」
二つ返事で引き受けることに。

「実際にやってみて、いかがでした?」
と訊くと、
「もう少し気楽な仕事だと思ったけど、
意外に大変だった」
と笑う森田さん。

毎日終わってから、店内の掃除、碁盤や碁石の清掃に、
1時間半はかかるそうです。




※みんなが気持ちよく打てるように、
 碁盤を汚すものは許しません



その通り、
こちらの店内はとてもきれい。
碁笥の底にはフェルトを貼って碁盤を傷つけないようにしたり、
碁石は一週間に一度はアルコール消毒をしたりと、
道具も丹精されているのがよくわかります。

「明るくて清潔な碁会所になるよう、心がけています」
そんな森田さんの強い味方は、奥様。
やはり毎日「天元」に通い、店内の仕事を手伝います。
お嬢さんが手伝う日もあるということで、
森田家の温かいおもてなしを感じるお店です。




※森田家のペット、マリちゃんもお出迎え



お店のお客さんは8割方がグループで、
一人で行くと森田さんにお相手をしてもらえますが、
複数で行った方が楽しめるかもしれませんね。



私たちが行った金曜は、
夕方から若者囲碁教室があるということで、
講師の王真由子さんが準備をされていました。
この教室では、
万波佳奈四段(現在育児休暇中で、代わりに小田彩子さん)、
王唯任五段、が講師を務め、毎回20人以上の若者で賑わうそうです。

以前新宿には、9軒の碁会所があったのに、
現在では6軒になってしまったそうです。

教室で囲碁を覚えた若者たちが、
今後も囲碁を楽しみ、
碁会所に通ってくれることを願ってやみません。


                            by シホ


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■囲碁サロン 天元 新宿

住所 東京都渋谷区代々木2-7-6
    exside blg.3階
電話 03-5388-0015
営業時間 午前11時~午後8時
       (金曜のみ午前11時~午後9時)
       年中無休(12月29日~1月3日のみ休み)
席料 一般 1050円
    女性、学生 950円
    団体割引(10人以上) 950円
    夜間割引 700円(午後5時~)
HP 
http://www.igo-tengen.com/

   席亭・森田さんのブログ「囲碁のこころ」
   http://ameblo.jp/19mm38/