:血の系譜 (犯人)
私は警察に着き受付から2階へと案内された。
先程の刑事さん達がいる。
『まぁ、おかけ下さい。』
と椅子を勧められ、中の一人が
『実は、おにぎりのラベルから販売元がわかり、そこの防犯カメラの映像を入手しましたので見て戴きたいのです。』
と言われた。
息子を連れて来るな!と言われた私の頭をよぎるのは息子が犯人か?
それとも、それに加担していたのか?
正月早々私の頭クラクラ、胸はドキドキして 『殺すなら殺せ!』 と刑事部屋で大の字になりたい気分だった。
(タバコ吸いたい)
興味津々よりうなだれてテレビの前に座り、刑事さんのセットしたビデオを見る。
コンビニの店内っぽい映像に一瞬我が目疑う人物が見えた気がした。
しかし一瞬だから確信はない。
しばらく見ていると、先程から気になった人物がビデオに捕らえられた。
私は苦笑いして刑事さんを見る。
刑事さんも苦笑いして私を見る。
『ご存知ですね!この方を』
と言われ仕方なく
『はい』
と答えた。
ビデオに映り買い物していたのは、息子ではなく、弟三木助だった。
しかし何故?と言う疑問の前に
『あの~弟はどうなるのでしょうか』
と聞いた。
家宅侵入罪で逮捕されるのか?
しかし刑事さんは身内の場合は立件しないと言う。
安堵と照れ臭ささで
『大変お騒がせしました!』
と深々と頭を下げ逃げ帰ろうとする私に
『お預かりした証拠品は持ち帰って下さいね。』
と言われ私は酒とおにぎりの食べかけとタバコの吸い殻を袋に詰め頭を何度も下げた。
刑事さんは
『タバコの吸い殻とおにぎりはごみ箱に捨てていって良いですよ。』
と教えてくれた。
私は酒も置いて逃げ帰りたかったのだが、致し方なく酒の瓶を握りしめ低姿勢で警察を後にした。