:血の系譜 (警察沙汰) | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

:血の系譜 (警察沙汰)

2001年元旦は110番通報からの幕開けだった。

事務所に着くとダイニングルームにボサッと息子が立っていた。

『何しているの?』


と聞くと


『現場荒らしたらいけないので、見ているだけ』


と答えるが見ていたところで殺人事件じゃないだから…とりあえず31日に事務所はどの状態だったかを確認した。

まず暖房は消し、パソコンはコンセントを抜いた!と言うが暖房もパソコンも今はついている。

傍にグリーンの、ラベルの付いていない瓶が置いてある。

ありゃ何んだ?と聞くと酒らしい!と言うので


『飲んだの?』


『31日にはなかった』


と言う答えだ。


パソコンを開く息子が


『泥棒はゲームしたらしい…何のゲームだろう』


と言うから覗くと麻雀である。

侵入者の行動は私の事務所に酒とおにぎりを持ち込み、新しいパソコンで麻雀を楽しみおにぎりを食べ、灰皿を持ち出しタバコを吸いガス、電気をつけっぱなしで去って行った。

そうこうしている間に警察が来て、事情聴取され指紋も取られた。

鍵を掛けたか掛けてないか息子は曖昧だったが、息子が事務所に来た時ドアは僅かに開いていたらしい。

『侵入経路は特定出来ないけれど、とりあえずここでおにぎりにかじりつき、酒を飲みタバコを吸い、暖まって麻雀のゲームをした事は確実で逃走経路は玄関のようですな』


と刑事さんは言う。


『盗まれた物はありますか?』


聞かれたが金目の物は家に持ち帰っているから心当たりはない。


(だいたい何が置いてあるかも覚えていない)

多少物色した後はあるようだ。

合い鍵を持ち去っているので、また来訪する恐れはある!と言う。

果てさて、ホームレスの方にでも居座られ事務所を乗っ取られたら、どうしたら良いのだろう。

警察はタバコの吸い殻に食べかけのおにぎりと酒を証拠品として押収し、とりあえずお開きとなった。

息子は古いパソコンを事務所に放置して買ったばかりのパソコンを家に持って帰る!と言う。

買ったばかりのパソコンを合い鍵を使って侵入され、売り払われたら敵わないので私も息子に協力して家に帰った。


それから、僅か30分程で警察から電話があった。

『お母さん、一人で警察に来て下さい。息子さんを連れずにお願いします』


と言う。

私は一人、家を抜け出しタクシーで警察に駆け付けた。