:余談~冗談~撮影談(3) | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

:余談~冗談~撮影談(3)

息子は弟に連れられ、幼い頃から生放送に引っ張りだされ、1歳にならないうちから大竹まことさんにツッコまれていたが、三木男になってからは初テレビだった。


三木男は噺家になってから私を 『お宅』 と呼ぶ。


『お宅』 『お宅』 と井戸端会議の奥さん連中じゃないだから勘弁して欲しいなぁ~と内心思っているところへ最近独演会に向け 『宿屋の仇討ち』 の稽古を始めた。

隣り合わせの三木男の部屋から柏手を打つ音と何か呼んでいる声が聞こえる。

一応息子とはいえノックして


『呼んだ?』


と聞くと


『伊八参ったのか』 と言う。

私は茂子で伊八ではない!


しかし考えてみると 『宿屋の仇討ち』 に宿屋の番頭伊八が出て来る。

すると三木男は 『も、そっとこれへ』 と手招きして芝居口調だ。

何事かとゴミ屋敷のような三木男の第一部屋に入る。


第一と言うからには、当然第二、第三はあるのかと言われたらある。

まぁその部屋の話は後々にして 


『も、そっとこれへ』 で近づくと 


『拙者コーヒーが飲みたい』 と言われた。


気分は 『宿屋の仇討ち』 の武士らしい。


仕方なく付き合ってコーヒーを入れてやる。


今のところ私は 『いは~ち』 と用事の度に声を張り上げ柏手を打たれ呼ばれる。


池の鯉じゃあるまいし、柏手が鳴る度に54歳の私は部屋から出て三木男の元に馳せ参じる。

たまには 『稽古しているんだよ』 と叱られる事もある。


まぁ呼びたいように呼べばよい 『お宅』 でも 『伊八』 でも…ただ柏手は勘弁して欲しい。

母親としての威厳が無くなる!と抗議したら


『お宅はお姉さんでしょう』と言われた。


そういえば節税対策で母の養子にしたのだった。

80歳の母と24歳の息子の間を 『いは~ち』 は今日も駆け巡り、取材を進めるのだった。