「冬はいみじう寒き、夏は世に知らず暑き」(枕草子)
夏は世に知られていないくらい暑いほうがいい。
と言った清少納言。凄すぎます。
私は暑がりなので、とてもとても。
もはや感性の問題ではありませんw
「夕べは秋と なに思ひけむ」
と清少納言の感性に反論した後鳥羽院とは全くレベルが違いますw
『徒然草』だったか、「家屋は夏用にするべき、冬なんかなんとかなるけど」
と言ったのは。
昔の貴族は寒さにも強いんだった。
端近で雪に降られながら優雅に笛を吹いてたんだよね。
なんか、昔読んだ、ゴロンの小説『アンジェリク』を思い出した。
ルイ14世の愛妾モンテスパン夫人が登場するが、彼女は主人公のアンジェリクと最初は友人だけれど、
後に敵同士となってしまう。
その中で、一番印象深かったシーンがある。
アンジェリクとモンテスパン夫人がベルサイユ宮殿の中庭を横切っていた場面だったと思うが、
真冬で極寒の日のことだった。
二人は、豪華だが肩がむき出しのドレスを着ていた。
あまりの寒さにたまりかね、アンジェリクがモンテスパン夫人に
「アテネー(モンテスパン夫人のこと)、あなた寒くないの?」
と訊くと、夫人は「何言ってるの?」というようにしらっとしていた。
そんなこと、このベルサイユでは当たり前すぎることよ、というふうに。
貴婦人、貴族って、平安貴族といい、すごいなと思ったものである。
優雅そうに振舞っているが、口に出せない恐るべきことがたくさんあるんだろうなと。
モンテスパン夫人も、ラ・ヴァリエールのマドモワゼルをルイ14世と一緒になって苦しめたり(私も同じような目に遭わされたので彼女の苦しみを理解できる)、
ラ・ヴォワサンに関わったり
ルイ14世をつなぎ留めるためにえげつないことをやったりと色々評判は良くないが、
口に出せない苦労も多々あったろうと思う。
『アンジェリク』は原作と漫画があまりに内容が異なるのでめげていたことがあります。
(特にフィリップとニコラ。原作と全く違うww)
ともあれアンブロワッサンが破滅したくらいで読むのをやめてしまいました。
その後また、何とか神父さまという敵が現れたらしいけど。
ちなみに私が『アンジェリク』の中で一番好きなキャラはモロッコ宮廷の宦官オスマン・ファラジです。
彼は奴隷の身分となってしまったアンジェリクのためにできるだけのことを考えてあげて、
アンジェリクがむち打ちの刑を受けた時、彼女の躰が傷つかないようにしてあげてた。
アンジェリクが、
「あのくらいなら、ちっとも痛くなかったし、なんともない」
と言うと、
オスマン・ファラジは
「私が鞭に細工したのだ。あなたのような美しい躰を傷つけることはサルタンでも許されない」
もっと美しい細やかな言葉で、宦官はアンジェリクの美しさをほめたたえた。
アンジェリクも感動して、
「こんな美しい告白を私は知らない」
ということを思っていたと覚えている。
長々ととりとめなく書いてしまったww
『枕草子』から『アンジェリク』まで、一体何を語っているのやらw
ともあれこれからも、暑い夏&寒い冬となるべく仲良く過ごしていきたいものである。