この2週間に行った美術展いろいろ・・・。オススメしたいものもあったけれど、会期終了がほとんど・・・(汗)
6つもありました。平安時代の仮名から、江戸時代の版画、つい最近のロンドンの写真まで(笑)
興味のあるものがあれば・・・会期終了のものも多いけど、リンクみてみてください。
1
富嶽三十六景と富嶽百景 @三越ギャラリー(日本橋)
かの有名な富士山の連作を一堂にみることができました!
自分で撮った富士山の写真を持って行けば無料で入場できるというので、
去年岡山に行ったとき、飛行機から撮った写真を持って行ったら、確かに無料でした♪
実は、奈良行き直前に行ったので、北斎の富士山を堪能した1時間後、本物の富士山も堪能(笑)
2
西行の仮名@出光美術館(有楽町) 2/23~3/30
http://www.idemitsu.co.jp/museum/
お習字、もう何年習っているのか・・・だけど、普段の字はちっともきれいになりません(汗)。
でも、毎月提出している仮名文字の好き嫌いは、なんとなくできてきました。
過去の名筆の中でも、平安時代末期の西行法師の字、好きなのです。
数多くの歌を詠んだ歌人として有名で、その中にはとてもすてきな和歌がたくさんあります。
彼自身の肉筆よりも、それを手本として写したものが数多く残ります。
今回の展示は、肉筆と言われるものも含め、西行筆と伝えられるもののほかに、
室町時代に描かれた、歌人西行の一生「西行物語」の絵と文章の展示もありました。
まだ上手に書く事はできないけど、いいお手本はたくさん見ておかないと・・・。
和歌の世界も奥深いです・・・奈良旅行で刺激されたところです。
有元利夫展@小川美術館(麹町) 2/25~3/8
http://www.ogawa-museum.jp/index2.html
有元利夫の作品 の、静かな空気が好きです。最初の出会いは宮本輝の小説の表紙。
この美術館の存在、最初は新聞の記事で知ったんだったか、一度行ったらDMが来るようになりました。
有元利夫が存命中に活動していた弥生画廊併設の美術館のようです。
静かな部屋ぜんぶが有元の作品で満ちていると、独特の雰囲気です。
静謐(せいひつ) ということばを思い浮かべます。
それが好きで、毎年足を運んで、たぶん3年目。桜が咲く少し前のこの時期にある展覧会です。
荒井良二展覧会「つづきの国のぼくの地図」@ピンポイントギャラリー(表参道)
http://www.pinpointgallery.com/
絵本作家で有名な荒井良二さんの展覧会。
↑この本は、途中まで荒井さんの書いた地図があって、その先が真っ白になってるのです。
その先を書こうという教材で、その原画などが展示されていました。
いつまでも子供のような感性での作品。たのしいですよ。
本城直季「small planet」@Paul Smith Space Gallelry(表参道) 1/26~3/23
https://www.paulsmith.co.jp/space/gallery/2008_01_small_planet.php
知人の息子さん、去年とうとう木村伊兵衛賞をもらってしまいました。
Paul Smith Spaceは、ポールスミスの全てのブランド(インテリアを含む)を置いているショップです。
建物丸ごとPaul Smithです。わたしも大好きなブランド。今春のプリントモチーフは切手なんです~。
本城直季が撮り下ろした、ロンドンの街、郊外の住宅地。やっぱりミニチュア模型みたい!
ポール・スミス氏の写真も面白かったです。
6
熊谷守一展@埼玉県立近代美術館(北浦和) 2/2~3/23
埼玉県立近代美術館、初めていきました。
京浜東北線の北浦和から徒歩2,3分、埼玉県立北浦和公園内にあります。
大きな噴水の脇のベンチは、たくさんの人がお弁当を広げてました。暖かかったのですよ~。
この建物、去年東京都知事選で話題をふりまき先ごろなくなった、黒川紀章建築です。
彼の、初めての公共美術館建設だということです。
熊谷守一は1880年生まれ。98歳まで、絵を書き続けた画業を振り返る展覧会でした。
迷わず展覧会カタログを買いました。ここ最近では珍しいです。
とにかく、内容が充実していたし、クロス張りの凝ったカタログ、手触りがよかったのです。
岐阜出身の彼は、東京美術学校(今の芸大)卒。とても優秀だったそうです。
最初の頃の絵と、晩年有名になった「子供の描いたような」単純な色と形のような絵、
その変遷がよくわかります。
60歳になる頃軽い脳こうそくで倒れてから、30年一歩も家の外に出ない生活をしていたといいます。
それでも家の庭にやってくる虫たちや鳥、飼っていた猫たちを眺めて日がな一日退屈しなかったと。
毎日同じものというものは絶対になくて、少しずつ違っているから、じっとみていて飽きないのだそうです。
石ころ1個あれば、ずうっと遊んでいることができると。
そんな彼の作品には、庭にやってくるチョウ、季節の花々、カエル、アリ、ハエまで登場します。
「熊谷スタイル」という独特の、赤い輪郭線で描かれた絵の色彩は、とても明るく鮮やかです。
2年ほどまえ、デパートの美術フロアでの巡回展をやっていて、それをたまたまテレビで見ました。
その後、渋谷の文化村ギャラリーでのオークションで、彼の作品「櫻」のレプリカを落札しました。
部屋に飾っている、リトグラフ。
うちの文鳥にちょっと雰囲気が似ていたからなのですが、実はこの鳥「ウソ」だそうです(笑)
熊谷守一は、鳥が大好きで、食べるに困る時期にも鳥や、猫を大事に飼っていたのだそうです。
それを知って、なおいっそう、この絵が好きになりました。
彼の油絵、老年になってから始めた日本画の作品もたくさんありましたが、
今回特に興味深かったのは、彼の晩年を2年ほど撮影し続けた藤森武氏の写真の展示。
まるで仙人みたいな晩年の熊谷守一の写真と、それに添えられた熊谷本人のコメントも展示。
いつもは夜中にしか絵を描かない「夜鷹」なのに、昼間に絵を描かされた(写真のため)とか、
お客さんが帰ったあと、いただいた苗木を庭のどこに植えようか奥さんと相談してるとこです、とか。
玄関の表札が盗まれるので菓子折のフタに名前を書いて五寸釘で打ち付けたら、
丑三つ時にのろいをかけるクギの打ちかただと言われたけど、その後盗まれなかったとか。
彼の暮らしぶりがよくわかる一連の作品は面白かった。来館者がみな微笑んで観てました。
心に残る、とてもいい展示でした。
併設の常設展の一部で、友人のすすめる小村雪岱の展示もありました。
明治~大正時代の画家で、泉鏡花の挿絵や本の装丁をしたり、歌舞伎舞台の背景を描いたり。
初めてまとめて見ましたが、描写の繊細さ、素晴らしかったです。
描かれる女性がみな小粋な江戸っ娘というかんじで格好いい。
舞台にあわせたものか、彼の筆による着物や帯のすてきな展示もあり、ため息でした。
2つ併せると3時間コースという、見ごたえたっぷりの埼玉県近美でした。
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6つの展覧会。カテゴリーがバラバラなのがよくわかります(笑)
富士山 北斎 版画 西行 仮名文字 和歌 有元利夫 荒井良二 絵本 イラスト
地図 本城直季 写真 Paul Smith 熊谷守一 小村雪岱 挿絵 装丁 染織物
どれもみんな、私の興味の向いているところ・・・ということで、メモがわりの記事でした。