◆免疫力を維持するため出来ること
では免疫力を維持するために日ごろ私たちが出来ることはどのようなことでしょうか?
食事、運動、睡眠、リラックスなどいくつか項目はありますが、特にバランスの良い食生活とストレスをためないことが重要になります。
適度な睡眠をとる
睡眠と免疫は深く関わっています。
睡眠不足が続くと、免疫力が低下し、病気になりやすいことは風邪の時などで子供のころから経験しています。
またその際、十分な睡眠をとれば、低下した免疫力が向上し回復が早まることも経験しています。
たとえ眠れなくても、目を閉じて体を横にして休めているだけで、免疫力は高まると言われています。
わが国ではほとんどの成人が寝不足といわれています。
少しの間の昼寝でも取るべきです。
10~20分と短い睡眠でも精神の疲労を回復させると共に、免疫力を高めてくれるのです。
健康維持のためにも出来るだけたくさんの睡眠をとりましょう。
継続的な運動を心がける
免疫力を高めるには、適度な運動がとても効果的です。
なぜなら、体内にウイルスが侵入してきたときに体を守る白血球=免疫細胞が、運動することによってより活発に働くようになるからです。
子どもの頃、身体が弱かったのでスポーツを始めたら、不思議に風邪をひかなくなったなどの話をよく耳にしたかと思います。
ウォーキングやジョギングなど軽めの有酸素運動の継続が免疫力を高めるといわれます。
ただし、過剰なトレーニングは体に負担となりかえって逆効果になりますのでご注意ください。
毎日出来る範囲で結構なので楽しみながら運動を継続することがポイントとなります。
とにかく笑う
笑うことも免疫力とつながっています。
笑うことで自律神経(交感神経と副交感神経)を刺激し、血圧を下げ、心拍、呼吸を整えるとされています。
また、脳の血流量を増加させ、血液の流れをよくするなど体のバランスにとって良いことが多いのです。
また、笑いは私たちをストレスから解放するだけでなく、脳に刺激を与えることでNK細胞を活性化させ、がん細胞を抑える働きがあることも注目されています。
そんなに笑えないよという方は、作り笑いでも結構ですので、とにかく笑ってみてください。
ほら元気が出てきたでしょう。
ストレスをためない
ストレスは免疫の乱れの大敵です。
私たちがストレス状態になると、そのストレスを緩和しようと防衛反応として脳下垂体からアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。
これらは交感神経の機能を活発にして副交感神経の機能を抑えます。
腸の動きや消化液の分泌は副交感神経によって支配されているのでストレスにより免疫のバランスが崩れ、その積み重ねで体調が害されていきます。
つまり「病は気から」ということわざは理に適った話です。
ただ、何をストレスと感じるかは、人によって個人差がかなりあります。
ストレス原因のトップは男女とも「日々の仕事」や「対人関係」ですが、特に女性は「育児・出産、子どもの教育」を心配する人が多い傾向があります。
また、年とともに「老後の生活こと」や「自分の健康・病気」が心配のトップになります。
そこで、ストレスに負けないためには「心地よい休息」が大切です。
体を休めることも大切ですが、日常の食事、会話、お風呂などもストレス発散に役立ちます。
またお休みの日には日光浴をしたり、音楽を聴いたり、好きな趣味に興じたり、くよくよせず、自分が気持ちよいと思うことを思い切ってやってみてください。
体温を上げる
体温は免疫力を大きく左右します。
昔から「冷えは万病のもと」といって、体が冷えるのは悪いことを言われてきました。
実は、風邪をひいたとき熱が出るのも、体温を上げて免疫力を上げようとする防衛反応といわれています。
また、体温が低いと体内の細菌に対する抵抗力が低下し、腸内では悪玉菌などの有害菌が増殖して様々な病気の原因にもなってしまいます。
具体的には肩こり、腰痛、めまい、貧血を起こしたり、不眠やイライラ、下痢や便秘、腹痛などのさまざま症状が現れる可能性があります。
そこでこれも先人の知恵として「腹巻」がおススメです。
お腹の冷えを防止するとともにお腹をしっかり暖めることで血流もよくなるのでリラックスできることも良い点ですね。
バランスの良い食事を心がける
日本は世界に誇る長寿国になりましたが、急速な高齢化やそれに伴う、生活習慣病などが激増しています。
その一因に食生活の偏りなどにより栄養バランスが悪化し、免疫に大切な栄養が不足し、逆に体によくない食べ物の摂取が増えることで腸内が乱れ、その結果免疫力の低下することが懸念されています。
免疫力を大きく左右するのが食事であり、バランスよく栄養をとることがその基本です。
私たちが日常食べている食品の中にも白血球を元気にするチカラをもつものが沢山あります。
例えば
野菜では、大根、ナス、キャベツ、ほうれん草、きゅうり、にんじん、玉ねぎ・白菜・レタスなど。
特にあまり脚光を浴びることのなかった、キャベツ・きゅうり・大根など、生で食べられるものが多い淡色野菜が 白血球の働きを活性化させる物質が豊富に含まれていることが近年明らかになってきました。
果物では、バナナ、すいか、パイナップル、ぶどう、梨など。
そのほかに大豆、納豆、、味噌、ひじき・昆布・海藻類、きのこ類、お魚類、ヨーグルトや緑茶なども免疫を高めるとされています。
もちろん、お肉などの動物性たんぱく質などを取るなとは言いませんが、脂肪を取り過ぎないこと。
何事も腹八分目を心がけましょう。
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