ぐんぐん
泣き出した夜
それでいいよ、と
あきらめていたはずでも
朝日(あさ)は ちゃんと私を
迎えに来てくれる
少し冷たい
風の吹く日
水玉硝子
顔を上げている
そのあいだに
涙よ、枯れて飛んでいってよ
弱さを
知らないわけじゃないけど
大好きな夢が
私のことを
指差しながら
笑っている気がしたから
まよい込んでも
見上げたいなら
何度も呼び続けて
意識すればするほどに
願いは大きさに
しらじら朝日(あさ)は
不安な闇を
説得(なだめ)ながら
覚束ない
足音の毎(ごと)に
道を白く
まっすぐ 手渡してゆく
「帰り路を
気にしちゃいけない」
鼻先、満ち直してゆく
希望
空気を割きながら
満ち直して ゆけ
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