花椰菜
街のあかりのそのひとつが
やさしく手を差し延べてる
それに微笑ましく見とれている
強くなった私がいて…
男の子に混じって汗かいて
服を汚して遊んだ
晩ごはんに胸、躍らせながら
輪郭を見つけた私
自分のこと
気にかけてくれてる
誰かのもと
寄り道もせずに辿って
今日あった出来事を
声の続くかぎり
聞いてくれたあなたは
今でも元気ですか?
我に返りたがらない自分を
この先でつい
持ち出すこと
ゆるしていて
追い抜く車もどことなく
嬉しそうにつらなって
爆音ばかりの国道さえも
掻き立てられる好奇心
いま浮かんできた
笑い話だろうか
妹よりも
小さい子が楽しそうに
話してる
あなたのまなざしに
似ている気がしていたことで
幸福に変わり
鍵穴のない過去の扉には
あの日最後に付けた
背丈の傷
初めて作ったシチューには
ブロッコリーも
ちゃんと入れたんだよ
だから
我に返りたがらない自分を
この先でつい
持ち出すこと
ゆるしていて
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