漂(ただよい)
ただよう ように生きたならば
それは『幸せ』なんだと思う
まるで風みたく
水みたくなり
季節まかせに生きたのならば
誰かに時折、気付かれながら
時折、睨み付けられながらも
言葉を持てぬ自分自身を
決して
情けなく思ったりなんてせず
一心に咲く
一輪の花への
はなむけの言葉のひとつでも
言えそうな気がした
まぶしい、はるか遠くの春を、
夢見ていた───。
そこには
笑い疲れた君で
いっぱいだった
日が暮れたおかげで
恋が少し
息を吹きかえして
荒っぽい言葉遣いにも
目をつむれてた
ただよう ように生きたことで
耳を澄ませていた
ガンジがらめの世界で
君と巡り逢えた
まぶしい はるか遠くの春を
夢見ていた
そこには
笑い疲れた君で
いっぱいだった
そこには
笑い疲れて
ねむる君でいっぱいだった
486
