ちゃばしら
耳を済ませば聞こえて来る
音楽に気をとられば
渋味をなくしたお茶
みたいかな
真っ透明な私が沸く
いつか行ってみたい場所をまた
懲りずに指でなぞれば
やがては胸にも明るい季節
広がる河川、ひと、棟(むね)
まずまずな生活の中の
雑草など
せっせと
むしり取っておきたい
悔しいことや
悲しいことは
悪戯にフレイムに
映りたがるもの
綺麗な花の傍(そば)であれば
それはそれでまた
可愛げも
あるんだろうけど
つまずく痛みが分かるから
無理をしたいとは思わない
悩んで一歩
踏み出せないなら
茶柱で吐息(いき)を
消したい
まずまずな生活の中で
ささやかな幸運に
守られていたい
擦り減るだけの
時間(ロール)だったのに
泣き言も毛玉も
巻き取ってくれる
瞳閉じても
かすかでも
頬がわらえれば
笑みさえこぼれば
それでいい
(c) shesquay
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