1937年（昭和12年）うまれの解剖学者。

東京大学名誉教授。

戦争の最後を子供の頃に見ていて、

一夜で天皇陛下万歳の世から、世の中が手のひらを返したことを見て

人間の世の中というものをとても懐疑的にみてらっしゃり、

学生運動のさなかに医学部に進んだことで、苦労もされたし、

学生運動の時に研究室を追い出されたことから学問って何だ？と問い続けられているとか。

「バカの壁」という本が著名で、私もはるか昔に読んだ覚えがあります。

（家のどこかにあった気が…）

そんな彼は、ゾウムシの昆虫採集が大好きという事でＴＶにでてらっしゃいました。

一流ともいえる彼は、エンジンがゆったりしていて、本当に優しそうで、

大物感あふれて、ＴＶという薄弱な世界にどっしりとかまえておいででした。

その中で、彼が言った言葉に、もうまもなく80歳とは思えない

みずみずしさと強さを感じたので

ここにφ(..)メモメモしたいと思います。

「わかった！」と思ったことが、壊れる。

わかっていたはずが、

「あれ？」ということに気がつき、

偏見が壊れることは、本当は快感なんだ。

普通は、「いや、見なかったことにしよう」とか、「まあ、いいや」と思う。

でも、本当は、世界は「違い」でできている。

分かったことは壊れていくものだ。

2016年2月放送　養老孟司　『探検バクモン』より

毎日がつまらない人は、

「このままでいい、世界はいつも同じだ」と決め付けている人なんです。

古典は読むべきだし、読む力をつけるべきである。

それには自分で読むしかない。他人を当てにしても無駄である。

まして学校ではほとんど何も教えてはくれまい。

知識が増えても、行動に影響がなければ、それは現実にはならない。

自分の好きなものを追求していくと、どんどん自分が変わる。そして変わるということは、成長するということです。

皆が群がる場所ではなく、誰も行かないような場所へ行ってみる。

人が行きたがらない所へ目を向けてみる。

そこにこそ、皆が手に入れることのできない貴重なものが落ちているように思います。

養老孟司「偏見が壊れる」ということ