シェパード中国物産家畜診療所のブログ

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徒然なるままに、牛のこと、エサのこと、農家さんのことを書いていきたいと思います・・・

9月は岡山、広島、山口の3県に伺いました。私ごとではありますが、大学時代6年間を過ごした山口県に訪問できたことが、非常に嬉しかったです。運転してくださった小山さん、同行してくださった橋本さん、ありがとうございました!

 

とある一貫経営の農家さんのところへ伺った際に、母牛の粗飼料の話になりました。こちらではイネWCSとスーダン乾草を給与されています。

 

ここで農家さんが気にされていたのは、イネWCSの水分量についてでした。「WCSのラップを開けたとき、バシャッと水が出るんですよね~。大丈夫ですかね?」とのことです。

 

実際にWCSの状態をチェックすると、確かに水分量が多いように感じます。水分量が多いサイレージは酪酸発酵をしやすいだけでなく、排汁からの栄養損失のリスクもあります。水分量60%以下まで予感することが望ましいという話もあります。

 

 

またイネWCSは粗タンパク質が低いこともあるため、分娩前後はWCSの割合を減らしスーダン乾草の割合を増やしてもらうことにしました。分娩前後のタンパク充足率を上げることによる、生まれてくる子牛の免疫向上が目的です。

 

シェパード 橋本

今回の巡回では、

いくつかの農場で配合飼料や粗飼料をどれくらい与えているのかを

実際に測ってみました。

 

 

と、いうのも・・・

 

「マニュアル通りにやってるのに牛の体形がちょっと小さいような気が・・・」

 

とか、

 

「母牛が痩せているのはなぜ???」

 

と、思うことが多かったのです。

 

実際に測ってみると、

 

マニュアルより少なかった!!!!!!!!」

思っていた量より少ない!!!!!!!!!」

 

ということが判明した農場もありました。

 

とくに粗飼料は、見た目と実際の重さが一致しにくいものです。

(見た目ではたくさんあっても実際は軽い)

 

「カップ一杯」や「てみ一杯」といったその「一杯」の重さが、認識とずれてきていないか

定期的に確認するのは非常に重要なのではないでしょうか。

もし可能であれば、配合飼料は毎回の計測を継続して行ってみることをおすすめします。

 

シェパード 戸田克樹

 

 

今回は中国地方だけでなく、人生初の四国にも伺い、愛媛県の農家さんにお会いしてきました。暖かく対応してくださった農家さん方、長距離を運転してくださった小山さん、ありがとうございました。

 

今年は早めの梅雨明けとなり、四国・中国地方も気温が高い日が増えてきています。そこで今回の巡回では暑熱対策を中心にお話しようと思い、こんなものを鹿児島から持参しました。

 

 

そうです、温湿度計です。牛は気温と湿度が高くなるとストレスを感じるとされており、それを数値化しようと思ったのです。気温・湿度を測定できれば何でも良かったのですが、この見た目に惹かれて写真の製品をチョイスしました。

 

巡回先では牛舎外と牛舎内の温湿度を測り、農場の状況を数値化していきます。数値化することで、農場内のどの牛舎が特に暑いのか?ジメッとしているのか?が非常に分かりやすくなります。そういった牛舎は優先的に暑熱対策をする必要があります。

 

また湿度が高い環境は暑熱ストレスにつながりますので、多湿を確認した場合は換気を強化する必要があります。現場では換気扇の清掃、増設、風速UPを提案します。時には細霧装置の使用頻度を下げたり、敷料を乾いたものに替えるといった対策が必要になることもあります。

 

農家さんによっては、牛舎内に温度と湿度を測定するヒートストレスメーターと呼ばれるものを設置されているかたもいらっしゃいます。こういった製品を使いつつ、ぜひ牛舎の気温と湿度を測定してみませんか?

 

シェパード 橋本