シェパード中国物産家畜診療所のブログ

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徒然なるままに、牛のこと、エサのこと、農家さんのことを書いていきたいと思います・・・

ごぶさたしております!
今月は岡山県と広島県を中心に牧場訪問してきました。

鹿児島はまだ暑い日がありますが、さすがに九州を出ると涼しいですね。
長袖じゃないと寒いくらいの日もありました。


導入牛の価格上昇や人手不足による繁殖成績の悪化、従業員教育の難しさなど、
どの牧場もそれぞれ悩みを抱えていらっしゃいました。
今回の巡回でお話した内容が、少しでもお役に立てることを願っております。
ちょっとしたことから意識は変わりますし、意識が変われば結果はおのずとついてきます。
 

たとえば!!!

舎内に設置してある踏み込み消毒槽が写真のようになっていたら・・・

 

 

 

すぐさま取り替えてください!汚れたままで放置していると、

 

「これくらいいっか…」

が積み重なって、気づいたらとんでもないことになってしまうかもしれません。

小さいことの積み重ねが大きな変化につながります。

 

たまっているゴミはありませんか?ひどく汚れた子牛はいませんか?よくわからない添加剤が倉庫に眠っていませんか?

フレッシュな気持ちで改めて牛舎を見てみると、環境を改善できるポイントが転がっているかもしれません。


シェパード 戸田克樹

 

9月は岡山、広島、山口の3県に伺いました。私ごとではありますが、大学時代6年間を過ごした山口県に訪問できたことが、非常に嬉しかったです。運転してくださった小山さん、同行してくださった橋本さん、ありがとうございました!

 

とある一貫経営の農家さんのところへ伺った際に、母牛の粗飼料の話になりました。こちらではイネWCSとスーダン乾草を給与されています。

 

ここで農家さんが気にされていたのは、イネWCSの水分量についてでした。「WCSのラップを開けたとき、バシャッと水が出るんですよね~。大丈夫ですかね?」とのことです。

 

実際にWCSの状態をチェックすると、確かに水分量が多いように感じます。水分量が多いサイレージは酪酸発酵をしやすいだけでなく、排汁からの栄養損失のリスクもあります。水分量60%以下まで予感することが望ましいという話もあります。

 

 

またイネWCSは粗タンパク質が低いこともあるため、分娩前後はWCSの割合を減らしスーダン乾草の割合を増やしてもらうことにしました。分娩前後のタンパク充足率を上げることによる、生まれてくる子牛の免疫向上が目的です。

 

シェパード 橋本

今回の巡回では、

いくつかの農場で配合飼料や粗飼料をどれくらい与えているのかを

実際に測ってみました。

 

 

と、いうのも・・・

 

「マニュアル通りにやってるのに牛の体形がちょっと小さいような気が・・・」

 

とか、

 

「母牛が痩せているのはなぜ???」

 

と、思うことが多かったのです。

 

実際に測ってみると、

 

マニュアルより少なかった!!!!!!!!」

思っていた量より少ない!!!!!!!!!」

 

ということが判明した農場もありました。

 

とくに粗飼料は、見た目と実際の重さが一致しにくいものです。

(見た目ではたくさんあっても実際は軽い)

 

「カップ一杯」や「てみ一杯」といったその「一杯」の重さが、認識とずれてきていないか

定期的に確認するのは非常に重要なのではないでしょうか。

もし可能であれば、配合飼料は毎回の計測を継続して行ってみることをおすすめします。

 

シェパード 戸田克樹