ちょうど一年ほど前、僕は「めまぐるしく変化する天気と進路」というブログを書いた。

あの時は、大学院博士課程の試験に落ちた結果、高校教師デビューすることが慌ただしく決まった。

勤務校を下見に行こうと思って、サイクリングに出たのだった。


しかし、当初の晴れ予報を裏切って、天気はめまぐるしく変化した。

曇っていた空から晴れ間が見られたかと思ったら、また曇ってきて遠くの新宿の空には大きな雨雲があった。

とりあえずやばいと思って引き返すとポツポツと雨粒が落ちて来るものの、避難したマックで大雨が来るのを待っているとまた晴れて来るという結果だった。

その時の心情を、晴れる「合格」すると思っていたのに、急に曇ってきて雨が落ちてきて「博士試験に落ちた」いったん避難した「白紙に戻した」のだが、また晴れてきた「教師として内定をもらった」という忙しい天気と合わせて書いた。

そして一年後の今日、僕は全く同じルートをサイクリングしてみようと思って自転車を漕ぎだした。

去年の忙しい空模様とは打って変わって、雨の気配など微塵も感じられないような安定した晴れが広がっていた。時期は去年よりも少し遅いということもあり、桜の花も咲いている。

まず王子駅を経由して、荒川沿いに出る。

そこから荒川の堤防をひたすら北へと向かって走っていく。

平日の昼は、子連れと高齢者の天国となる。

花を咲かせ始めた桜の木の下では、大勢のママたちが子供を連れて花見をしているのを、おじいさんおばあさんが暖かな眼差しで見守っている。そんな春の光景全体を、暖かな太陽が上から見守っている。

とても平和なこの光景に、思わず僕も笑顔になる。日本はいい国だ。


一方でそんな安定した天気とは裏腹に、僕の進路はまためまぐるしく変化した。

1年間の教師生活を通して、また違った世界も見てみたいと思うようになりアフリカにある日本大使館で2年間勤務することになった。

本来だと、いきなり雪が降ってきてもおかしくないほどの変わりようだ。

でも、今日の空は僕の進路など全く関係ないかのように安定している。

そういえば、あの時はマクドナルドで休憩している時に、石井(宗)先生から電話をもらった。

元気かな、石井先生。いい人だったなあ。

次の職場にも石井先生みたいな人がいればいいなあ。


気付けば彩湖公園まで来ており、そこでお弁当を食べた。

そういえばここは大東一高のマラソン大会が行われたところだったっけ。

太陽の光を反射した湖面を眺めていると、元気な大東生が走っている姿が目に浮かぶ。

なんだかんだいって、教師生活、楽しかったなあ。

将来的には英語教師として生きていきたい。

ただ、その前にまだやるべきことがある。


公園内を一周すると、ヤクルトスワローズの2軍の球場を見つけた。

明日ならば日本ハムとの試合を観れただけに残念・・・


帰り道、大東に通ったのと同じ道を通ってみた。

坂が多くてあまり好きにはなれなかったけど、やはり懐かしい。

汗だくになりながら、遅刻しまいと頑張って漕いだ坂。

たが、もう今年は僕がこの道を走ることはないだろう。


10時30分に出て、帰って来たのが16時30分。

なんか、心がスッキリした。

春のサイクリングは心のリセットにはもってこいだ。

来年も3月に帰国できたらサイクリングに出よう。