硝子の棺で眠る姫君 考察

七つの大罪 【嫉妬
グリム童話のモチーフ【白雪姫雪白姫)】

 ◇参加ボーカルなど&曲時間
  ・Marchen von Friedhof (メル)
  ・エリーゼ(藤田咲)
  ・黒沢ともよ(姫様)
  ・MIKI(継母)
  ・鈴木結女(王子)
  ・Jimang(狩人の爺、鏡の人)
  ・Sascha (ナレーター)
  ・Idolfried Ehrenberg(イド)
  ・コルテス将軍さがしてるひと(??)

  
   ※敬称略

  8:31
  
 ◇曲の大体の流れ
  
  最初のナレーション
     ↓
  姫が生まれる→生みの母どっか行く
     ↓
  継母と鏡→姫一人で踊る→継母と鏡(姫がかわいい!!)
     ↓
  狩人と姫の追いかけっこ
     ↓
  姫様小人の家に入る→継母から何度も殺されかける→生き返る(小人から注意を受ける)※イドさんとコルテス探してる人
     ↓
  継母変装婆→りんご食べて死ぬ→継母と鏡(また継母が一番)
     ↓
  メル、夢の世界で待つものさっ
     ↓
  王子のターン、探しまくってる→小人の家見つける
     ↓
  小人たち、私にゆずってくれないか?→OK→小人たち、王子の城に運ぶ途中にお姫様ぐーてんもるげんっ
     ↓
  婚約の儀に継母を呼んで復讐(焼けた死ぬまで靴を履かせる)→なんてことだ
     ↓
  メル「メル鏡」
  エリーゼ「エリーゼ姫さ」

  
  
 ◇感想
  ※一部、物語の本筋とは関係のない音声が、流れている可能性が御座います……
  ブックレットでこれを見て聞いたら思わず吹いた(笑
  そしてあのMoiraのときのともよちゃんが歌ってるとは……とても思えなかった
  
  
 ◇説明
  この曲は白雪姫(雪白姫)をモチーフとしている
  ヒロインはともちゃん演じる姫様
  魔女=継母が姫にの美貌に嫉妬することから始まる
  王子の服は青色
  
 ◇考察
  1.初版グリム童話「白雪姫」との比較
    まず初版グリム童話は以下のような話である
    
      「生母が女王、白雪は王女として生まれる。
     はじめはかわいがられたが、七歳になった美しくなる娘の美しさになる。
     「国の一番の美貌」を奪われると考え狩人に殺させようとする。
     狩人には「姫の肺と肝臓」を殺した証拠にもってこいとしてそれを食べるとも言っていた。
     しかし殺そうとした狩人もいざ、白雪をみたらあまりの美しさに殺すことは…と猪を殺し、白雪をにがす。
     そしてその猪の「肺と肝臓」を白雪のものと偽って食べさせたが、鏡によって気づかれてしまう。
     一方、白雪も狩人がいなくなってから一人きりで怖くなり、ひたすらに歩いていると小さな家を見つける。
     その家につくと食卓にある食事や飲み物を少しずつ食べ、そしてベットを全部試し、
     最後に一番奥にあったベットで眠ってしまう。
     その後、家主であった小人たちが仕事から帰り、白雪に気づき事情を聞く。白雪はすべてを話す。
     かわいそうに思った小人たちは姫に家事をやってもらう代わりにここで匿う事にする
     そのころ7つ向こうの山の小人の家に逃げたとしった女王はどう殺すか考える。
     そして最初は胸紐で殺そうとした、しかし小人が紐を切ったら姫は生き返る。
     次は刺したら毒がまわる櫛を作り殺すが刺さっていた櫛を抜いたら生き返る。
     最後はご存知りんご、ただこれまでの経験で小人が姫に用心させていたためそう簡単には食べさせられない。
     だが用心深い姫のために半分は毒入り、半分は毒なしのりんごを用意していた女王は
     姫の目の前で自分も食べることで姫に食べさせる。そして今度は何をしても生き返らなかった。
     だが死んでいるはずなのに一向に生きている様子の姫をみた小人たちは硝子の棺を手配し、毎日交代で見守った。
     目が覚ますことはなかったが、そこに王子様がやってきて、泊めてほしいとのことだったが、姫をみたら恋に落ちる。
     そして「どうか私にその棺をください」というが小人たちはいくら積まれても断る。
     それならばとください、妻にしたい、白雪がいないと僕は何もできない。というと小人たちは譲ることにする。
     そうして王子の国に運ばれることになったが、王子は白雪がいないとだめだと言う。
     臣下はしかたなく「硝子の棺で眠る姫君」を運ぶ係りを手配する。
     が、そうしたことに嫌気がさしたその係りの者たちが運んでる最中に姫の背中をどんと殴る。
     するとりんごのかけらが出ると同時に白雪が生き返り、王子は結婚することに。
     白雪は生母を結婚式に呼ぼうとする。一方生母もはじめは乗り気でないものの、
     どうしても自分より美しい姫が妬ましく、出席することに。
     そして生母に死ぬまで焼けた靴を履かせ躍らされた。」

                          ---『ベスト・セレクション 初版グリム童話集』より要約---
                             
    このような話である。
    ではMarchenとの決定的な違いは…
     1.生母→継母
     2.王子は死体愛好者じゃない
    くらいですかね。
    サンホラは生母を大切にするからなんてレスを見て笑いましたが
    実際それ以上のことを思いつきませんでした
    でも生母が「白雪」って名付けるはずだから死んでても女王なのがなぁ
    
    ちなみにMarchenで端折られているのは
     1.七歳になったときに
     2.肺と肝臓
     3.小人の家を見つけるまでの経緯
     4.「幾度か殺される」の経緯
     5.小人たちからの注意
     6.王子とのやりとり
    目立つのはこれくらいでしょうか。
    
    初版グリム童話に出てくる気になるキーワードについて列挙
     冬、七歳、肝臓、いばら、七人の小人、
     
    
  2.《白雪》姫?《雪白》姫?
    現在考察中
    なかなか文献見つからないです…
    
    原文の直訳すると『雪白姫』(ゆきじらひめ)になるから雪白姫と言うのが有力のようです
    ちゃんとソースを探してみます
    
  3.嫉妬について
    王女への継母の嫉妬
    国一番の美貌を奪われる事への不安から
    モチーフの動物はか犬
    初回盤、あるいはブックレットではこの曲のモチーフは蠍=色欲になってる
    色欲、と言うのなら美貌と言う点で当てはまる…けど。
    
  4.曲に対しての考察
    嫉妬がテーマ 女王→白雪
    この曲は多分他の曲よりもグリム童話に近いので物語が展開しやすかった
    むしろイドさんがなぜここで?単なるATMのオマージュとは思えないのですが。
    恐らくこのイドさんは次の古井戸の父親であるイド航海士だと思うのですが・・・。
    それについては次曲で書くとして。
    王子は死体愛好と言う事ですが、この王子はいばら姫の方の王子と同一なのか。
    ブックレットの色が青の服のこの王子は結婚相手を探してるわけでもなさそうだし。
    ただ単に愛せる相手を探してるのか。
    そもそも生きてる人をそんだけ愛でてる時点でおかしいですが。
    空気王しかり、王子は暇なのか
    ともかく王子は恐らく同一ではないでしょう。
    時間的にもいばら姫と合わないはずですし、「なんてことだ…」の後また探していた、とも考えられますが。
    服の色を意図的に変えていると思うので、
    別人だけど同じことをしている人なんだ、という解釈にとりあえずしたいと思います。
    《結女》の世界と歌手をまたしても使っています
    これは陛下の遊び心でしょうか。
    それとも結女さん演じる《王子の世界》と言うことなのか。
    童話らしくそういう考えもあると思います。
    
 ◇わからない所
   なんでここでイドさんとかが出たのかがわからない
    →次の5曲目ならまだわかるのに…なぜここで?
   本来いるはずの生母はどうして遠くへ?
    →Revoさんが単に生母を殺すのを嫌ったのかな

    ◇その他
  【参考にした本・サイトは
     →他の地平線と「硝子の塔で眠る姫君」の関連性はコチラ

                            (2010.12.22)

 黒き女将の宿 目次  生と死を別つ境界の古井戸