日本でも報道されたようだが、先月29日、上海市内で現地法人勤務の日本人女性(36歳)が、
殺害されているのが、発見された。
日本語と中国語の報道によると、玄関の鍵が壊されており、強盗目的の犯行のようだ。
飲料水の配達員が、マンションの保安(ガードマン)に通報して発覚。
定期便でなく、通常の電話をして配達される飲料水だと仮定すると、死後半日以内には
発見されたのではないかと推測される。
このマンションは、24時間保安(ガードマン)が常駐し、カードキーも採用されており、
セキュリティーシステムも一見しっかりしているように思われるが、前の人に続いて入れば
簡単に侵入可能だろう。
ネズミ・マンションも類似のシステムなのでよく分かるが、よほど挙動不審でない限り、
保安(ガードマン)から呼び止められることはない。
結局、この手のセキュリティーは、大した意味をなさない、ということは、居住者の誰もが
薄々気づいてはいる。
被害者の所持品を所有していたことから、驚くべきスピードで遼寧省(中国東北部)出身の
男性(41歳)が、容疑者として逮捕された。
ネズミ・マンションで窃盗事件が発生した時もあっという間に逮捕されたのは、監視カメラの
おかげだったから、今回もそうなのかもしれない。
報道で知る限り、運が悪かったとしか思えない今回の事件だが、1つ気になったのは、
玄関の作り。
二重ドアにはなっておらず、鍵を1つ壊されたら、容易に侵入可能なようだった。
ネズミ自宅もそうだが、上海には、二重ドアになっている家もあり、これだけでも侵入の手間が
二倍かかり、犯罪抑止力になっているように思う。
また、室内に监控(マンションのコントロールセンター)と直結した防犯ベルが、設置されて
いれば、多少は安心だと思われる。
息子ちゃんが、赤ちゃんの頃、うっかり押してしまい、3分以内に保安(ガードマン)が、
緊張の面持ちで駆け付け、こちらの方が、青ざめたことがある。
ただし、防犯ベルが上手く作動しなかったり、たまたま保安(ガードマン)の交代時間で
誰も駆け付けてはくれない可能性もなきにしもあらずなのが、上海リスク。
ところで、90年代に古北(日本人の多く居住する地区)にある今も現役のマンションで
自宅に侵入した強盗と出くわし、日本人男性が殺害された、と上海人から聞いたことがある。
他にも友達(中国人)の知人が、強盗犯に抵抗し、命を亡くしたそうだ。
また、ローカル新聞を読んでいれば、頻繁に上海市内のどこかで強盗殺人事件は
発生している。
今回の事件を受け、ネズミ夫婦で今一度気持ちを引き締めることと
万が一、事件に巻き込まれたら、お金よりも命優先でとにかく逃げることを確認し合った。
また、自宅に複数ある防犯ベルの位置も再確認した。
* おまけ *
被害者と面識はないものの、同じく上海で働く日本人女性として今回の事件は、
少なからずショックだった。
更に追い打ちをかけるようにショックなのは、中国で暮らす日本人や日本語の分かる
中国人による掲示板での書き込み。
まるで死者に鞭打つような、犯罪被害者を更にネット被害者にまでする内容に
眉をひそめた。
もし、自分や身内に起こったら・・・という想像力さえ持ち得ないことが、人として
恥ずべきことだと思う。
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年々便利になり、長く暮らしていると気も緩みがちだが、自分の身を守るのは自分。
あらためて在上海日本国総領事館が作成した「在留邦人用安全対策マニュアル」を
読み返してみた。
ご関心のある方は、ご参考下さい。→「在留邦人用安全対策マニュアル」