京都丹後鉄道KTR8000形「丹後の海」仕様車 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

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2015年11月、「あかまつ」・「あおまつ」・「くろまつ」の松シリーズで好評を得ている京都丹後鉄道が、"丹後の美しい海を想起するような、「海の京都」をイメージした車両"を登場させました。

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「丹後の海」という愛称があり、既存のKTR8000形「タンゴディスカバリー」をリニューアルさせる形でお目見えしました。この「まいづる」に関しては、もはや丹鉄線内は一切走行しません(^^;;

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車体には様々なロゴや文字が入れられています。松シリーズ同様、誰が何をやらかしたのかはこの日記を見られておられる方々であればもうお分かりですよね。

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まずは第1編成をご紹介。今回の取材で第2編成も乗車予定だったのですが、運行予定表に記載されていた列車を待っていてやってきたのは「タンゴディスカバリー」車両、運行開始わずか3日目にして差し替えされています。事前アナウンス等も無いので、あまり期待しない方が幸せかもしれません。

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それでは参ります、デッキドアです。デッキは黒でまとめられており、JR九州のキハ185系や800系新幹線に通じるものがあります。リニューアル後もステップは残っています。足元にご注意下さい。

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ゴミ入れです。飲料系とその他で分別されています。入れ口等をステンレスにしているのはリニューアル前からです。

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トイレです。大型で車椅子対応となっています。

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男性小用トイレです。こざっぱりとしてます。

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洗面台です。こちらは大幅に変更されており、仕切りが簾となっています。

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鏡に照明を仕込む仕様は変わっていませんが、縁取りや化粧板が交換されています。側面にはイラストが設置されています。

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ドアと洗面台の間には小さなゴミ入れがあります。

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イラストは車内至るところに存在します。時期的にクリスマスということでこの仕様になっています。時期によって変わるんですかね?

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車内です。天井と壁は白樺、床はナラ、座席は楓が使用されており、かなりウッディな雰囲気となっています。このデザインも、最近のミトーカマジックが好んで使用している手法ですよね。

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デッキとの仕切りです。一面木を使用しています。ドア上のLED表示機はリニューアル前からのものですね。

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バリアフリー対応車両のデッキ仕切りです。両開きとなっており、通路幅を確保しています。

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左上に貼り付けられた各種名板。ある意味勲章ですね。

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天井です。照明はかつては間接照明に荷棚下の補助照明という関西を筆頭とした西日本の特急型車両のアイデンティティとも言えるスタイルでしたが、リニューアル後はLED灯を4発仕込んだスポットライトを等間隔で並べています。更に荷棚も交換されており、補助照明は無くなりました。

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白樺の木で出来た化粧板には桐の紋のような模様が入っています。このような細やかなデザインもミトーカクオリティと言った所でしょうか。

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窓です。リニューアル前は2席に1枚の割り当てで日除けは横引き式のカーテンでしたが、窓を木材で囲んだ上で個別化し、日除けをフリーストップ式のロールカーテンとしています。結果として視界の連続性は途切れることとなりますが、京都-綾部間と宮津-豊岡間では1列を除く奇数列、綾部-東舞鶴間と福知山-宮津間(※それぞれ指定席発券区間ベース)を指定すると、視界の遮りは最小限で済みそうです。

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全ての柱部分に小型の額縁に入れられたイラストが入っています。その下にはフックが1つありますね。

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座席です。リニューアル前からの座席を使用していますが、かなりの変更点があります。

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目につく変更点としては、1:ヘッドレストピローの追加 2:背ズリのクッション分割 3:シートバックテーブルの木製化 4:センターアームレスト上に木の板を貼り付けて拡幅 といった所ですね。掛けた時の印象ですが、既存車両に座り慣れていると違和感を感じると思われます。ヘッドレスト追加や背ズリのクッション変更により背ズリ自体が嵩張っているために座面がかなり短く感じるようになりました。結果リクライニングしないと前に押し出されるような感覚がしてしまいます。

 

オマケに拡幅されたセンターアームレストですが、元の座席の横幅は変わっていないのに無理矢理広げているため、座席の実効横幅はかなり削られています。要するに狭い。そのため、かなり人を選ぶ座席となってしまっています。見た目の変貌ぶりには定評があり見事だと思うドーンデザインですが、実際の機能性や座り心地は著しく損なわれてしまうのも(悪い意味で)定評があります。

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ヘッドレストカバーにはKTR特急型車両のアイデンティティとも言える、丹後の伝統工芸品、丹後ちりめんが使用されています。タンゴディスカバリーのロゴが入っていることから、こちらは変わっていないのでしょうね。

後日乗車した時には、丹後ちりめんは変わりませんがデザインがミトーカイズムとなりました。

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指定席で使用される車両の最前列は1人掛けとなっています。

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車椅子対応の1人掛けです。

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こちらも座席自体は変更無く、一般座席同様の改造が施されています。

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リクライニングの図。回転の関係で窓側から多少離れて設置されているため、シートバックテーブルが使いにくくなっています。ちなみに、シートバックテーブルも木製のものに交換されていますが、これが縁取りがされていないものでして、ただでさえ振動や横揺れが著しい走行線区を走る車両のテーブルとしてはレッドカード級とも言えます。

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通路側に向けて固定することも出来ます。

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デッキ仕切り際には固定テーブルがあります。面積はまずまずと言ったところですが、やはり縁取りはありません。

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指定席で使用される車両の最前面です。仕切り窓には縁取りのデザインが施され、運転台側の窓には木の飾り細工もはめ込まれています。やはりデザインには定評があります。

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そして、タンゴディスカバリー時代から自由席には立ち席のフリースペースが存在していましたが、「丹後の海」化してからこちらにも大きな変更が加えられています。そりゃあ「フリースペース」という言葉を聞いて、あの方が飛び付かないわけがありません(笑) 仕切りとなる部分には近年登場した同デザイナーが手掛けた車両のアイデンティティとも言える暖簾がかかっています。やはり、この暖簾は欲しいですね(笑)

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フリースペース内部です。かつては立ち席のみのスペースでしたが、座席が設置され展望スペースの様なスタイルになっています。繁忙期を中心に、自由席難民の避難場所となりそうな予感全開です(^^;;

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乗務員室側から。この変貌ぶりは素晴らしいですね。

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運転台側のソファです。背ズリが湾曲したスタイルは全国共通です。やっぱり座りづらい…。

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反対側のソファです。こちらは背ズリがそれぞれ分離したスタイルです。左側の席は前面展望にもピッタリとなっています。

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こちらのソファには固定式のテーブルがあります。

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運転台側のソファには折り畳み式テーブルが二つあります。

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フリースペースと座席との仕切りです。ガラスの衝立で、やはりロゴや模様が入っています。両側に固定テーブルがありますね。

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天井です。リニューアル前と変わらず、外側に間接照明、中央にスポットライトを配置しています。

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窓です。元々大型の窓だったのですが、ソファの背ズリ高さの拡大や木工細工の追加で、実質的な窓の大きさは小さくなっています。

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運転台側の仕切り窓です。やはり木工細工が入れられています。

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金縁されたイラストです。

 

さて、今では全編成が「丹後の海」化されたKTR8000形、2本目以降はマイナーチェンジした仕様で出場しています。

 

それがここ、1本目では窓に増設して張り出した木枠で窓側のアームレストがほとんど使い物にならなかったため、窓枠の木が削られ多少肘が入るようになりました。まぁそれでもこれくらい、使えば肘が窓枠に当たります。

 

そしてフリースペース、アッと思ったのが暖簾が無くなったことですね。

 

通常時でも4両、多客時は6両にもなるこの列車、併結時の通り抜け時は確かに邪魔にはなりますわな、車掌さんも車内を見通せないですし。

 

仕切りのガラスデザインは安定のミトーカデザインです。

 

そして、天井には金箔の装飾が追加されました。テーブルからはこの装飾を照らすポール式の照明がそびえ立ちます。

 

周りのデザインはさすが工業デザイナーだと思うのですが、人の触れるところの実使用感が何だかなぁな所を見ると、全くの別物にし過ぎるのも考えものです。