JR九州783系 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

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JRが発足して30年、JRグループ初の特急用車両として「ハイパーかもめ」でデビューした783系です。


新幹線開業による787系の大規模転配で、一気に運用が減っている感じも否めず、日豊本線の「にちりん」では、両系列で仕事を奪い合っているようにも見えます。

 

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こちらは「きりしま」での運用。2往復のみ、「ハイパー有明」として運用していた時に来ていた鹿児島中央に顔を見せています。


現在はステンレス無塗装車体に、ブロックパターンのステッカーが貼り付けされています。登場当初はもう少しシンプルだったのですが…。

画像はハウステンボス専用編成です。前面がド派手な赤色に塗られています。

 

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そういえば、こちらは今オレンジ色にリニューアルされて再スタートをしていますね。そのうちまた観察に出向いて取り上げましょうか。


こちらは「みどり」編成。ハウステンボス編成と異なり、こちらはステンレス地が多くなっています。


「みどり」と「ハウステンボス」は早岐までは併結運転を行うため、連結面側は貫通構造となっています。何やら、817系に似ていますね。大半は元中間車からの改造ですが、1両のみ元が半室グリーン先頭車だった編成がおり、流線型の前面を惜し気もなく切り取り、切妻の貫通型前面に改造しています。なお、みどり編成ではこの車両が半室グリーン車となっています。元々半室グリーン車の車両を除き、改造前が普通車だったため窓が普通車と同じ大きさとなっていると共に、窓割りも残念なことになっています。方や反対側の普通席はハイデッキ流線型パノラマの豪華仕様です。あれ?


それでは参ります、デッキドアです。低床ホームに対応するため、ステップがあります。ドア自体は赤色に塗装されており、九州ではよく見かける仕様です。ちなみに、783系のドアは車体中央に配置されており、ドアを境にA室とB室に分けられています。この仕様はあまり多くないものの、グリーン車が半室で済むほどの需要であるJR九州、以後883系や885系の半室グリーン先頭車に受け継がれることになります。


ハウステンボス編成のドアです。赤色のドアは相変わらずですが、周りは青色と言う、883系のような色使いになっています。外観だけじゃなく内装もド派手ですね・・。


車内には自動販売機も備わります。


そして九州ではよく見かけるテーブルカウンター。このメタリックで近未来的な雰囲気に、リニューアル当時のちょっとしたJR九州のバブル時代を垣間見ることが出来ます。

 

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かつて何に使われていたのか謎のフリースペース。鏡が入っているので身だしなみにも使えますし、携帯電話の通話スペースとしても使えます。

 

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自動販売機です。観光列車で軒並み車内販売が終了した今、昼行特急では日本最長距離を走る列車にも入るだけにこの設備はありがたいですね。



両編成の連結時の姿。通り抜けも可能となっています。

 

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デッキとの仕切りを外側から。扉部分は本当に原色で溢れています。当時のドーンデザインの流行ともいえます。


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普通車車内です。ドアが車両中央にあるためそれぞれが半室構造となっており、とてもこじんまりとしています。オリジナルの座席を持つ車両の車内で、後に紹介する485系の座席に改座された編成が多い中、ごく少数ですが原型の座席を持つ車両も頑張っています。

 

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天井です。カバー付の照明が間隔を空けずに並んでいます。当時としては標準的な装い、ともすれば国鉄感も漂います。

 

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で、一部はこのように垢抜けた車両も(^^;;

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座席です。JR化後初の特急型車両らしく、フレーム自体はどこか国鉄型でよく見られたフレームの面影を感じます。

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JR九州お得意、車両によってモケットをコロコロ変える手法はこの頃から健在です。座り心地ですが、熟成を重ねた国鉄設計を更に進化させただけあり、座席のクッション性や座面と背ズリとの組み合わせは中々良いのではないでしょうか。今のJR九州で885系等に搭載され広がりつつある座席と比べればその信頼感は絶大なものだと思います。

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足元には跳ね上げ式のバーレストが備わります。少し体勢を変えたい時にどうぞ。

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かつては普通車でもオーディオサービスをしていたようですが、現在ではパネルが塞がれています。JRグループ初の特急型車両、相当気合いが入っていたようですね。

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こちらは先頭、展望車の普通席です。


やはりセミハイデッキ化されています。また南九州の日豊本線系統の特急列車では自由席として割り当てられることがあるので、早く並べば最前列を陣取ることも可能です。


さて、JR化してから30年近く経とうとしていますが、783系では登場当初の座席を更新した車両が存在(というかほとんどがこれ)します。

 

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で、間違い探し的な別バージョン。

 

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デッキとの仕切りです。こちらは出入り口側のもので、仕切り扉は自動式で窓が大きいものです。また仕切り扉上にLED表示機が設置されています。

 

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そして車端部です。仕切り扉のデザインが全体的に異なり、LED表示機も設置されていません。まぁ、独特な客室配置ゆえ、両方向に完璧に対応しようとすると普通の車両の倍付けなければならないわけで・・。

 

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そうそう、ローレル賞も獲っているんですよね。JRグループ初の特急列車なので納得といえば納得。

 

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窓です。2席に1枚の割り当ては国鉄型車両と同様、日除けは横引き式のカーテンです。



座席です。オリジナルのものではなく、485系の廃車発生品に改座されています。改座の原因はオリジナル座席のヒーターの弱さだそうですが、JR九州のウィークポイントの一つとも言えるメンテの悪さ、「本当にダメになったら座席ごと換えてしまう」というのが隠れた答えのような気がしています。


先頭車の運転台側のブロックは、普通車ながら展望に配慮したハイデッキ構造となっています。

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座席です。モノ自体は485系廃車発生品同様ですが、ハイデッキ化されたためにちょっと上からの展望が楽しめそうです。

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セミハイデッキ部分はこんな感じ。段差が割と大きいので、出入りには注意しましょう。


こちら些細過ぎるバージョン違いです。上の座席と比べて、肘掛上部の色が少し薄くなっています。


みどり編成の普通車車内です。座席のモケットが少々変わっています。


座席です。先に紹介した座席は肘掛フレーム部分やテーブルが黒色となっていましたが、こちらは白色となっています。またモケットも模様が少なめになっていますね。


こちら最前面側に設置された座席です。やはり展望を考慮してセミハイデッキ化されています。座席に座るときには段差に注意しましょう。それでも座席は485系のものなんですよねぇ・・。座り心地はまずまずだと思いますよ、腐っても国鉄の頑丈・安定設計ですから。ですが、オリジナル座席にあったバーレストなどはことごとく省略されており、クッション性などもやや薄めでオリジナル座席の座り心地が恋しくなるかもしれません。


前面展望はこの通り。


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783系で地味にパラダイス感が出ているのは座席の付帯設備でして、このように一部分だけ色が異なっているというのを多々見かけます。南九州まで行くと特に急がない不相応な列車がいることはともかく、紛いなりにも料金を徴収する車両にてこれは何ともチープな・・。

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で、こちらはリクライニングレバーのカバーだけが交換されたタイプです。

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続いてその色違い。どっから持ってくるんでしょうね・・。

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そしてセンターアームレストのカバーだけが変わったタイプです。

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裏に回ってみれば、シートバックテーブルも一列だけ黒いのが・・。

 


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普通車の次はグリーン車です。1+2の3列配置、半室を利用しての設定となっています。

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天井は間接照明で、荷棚には読書灯が設置されています。

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座席です。独特な形状をしていますが、展望タイプの前面を有していることから少なからず展望に配慮したものと思料します。それにしても、肩部分が切り取られた割にえらく重厚感全開です。

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こちらは1人掛けです。

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全展開の図。付帯設備はシートバックテーブルにインアームテーブル、両面式のフットレストとグリーン車らしくフル装備ともいえます。

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フットレストが無い仕切り際の席には三角オットマンが置かれています。こちらは土足禁止面のみ、展望席以外はちょっと残念な区画ですね・・。


みどり編成の半室グリーン席です。ごく1両を除き、普通車からの改造により登場した区画です。


荷棚下にはグリーン車お決まりの読書灯があります。


座席です。グリーンの名に恥じぬ大型で肉厚の座席となっています。


そして1人掛けです。座り心地は「いかにも」なグリーン席相応の良い座り心地です。「みどり」や「ハウステンボス」のような、乗車時間が比較的短い列車では物足りないような気もします。ただ、みどり編成での不満点として、座席以外の良い点がほとんど無いということ。前述の通り普通席からの改造のため、窓割りもご覧の通り残念な区画がありますし、貫通構造側に設定しちゃったもんですから前面展望も無し、おかげでセミハイデッキ構造でもなし。更にハウステンボス編成併結時は中間に入ることから、乗客の通り抜けも頻繁に起こります。静粛と安らぎを提供すべきグリーンにおいてこれはマイナスですね。せめて反対側のパノラマ型車両をグリーン車にしておけばよかったものを・・。あくまで「博多から西を向いた時、先頭にグリーン車を設定する」という現場の縛りがあるのでしょうね。


デッキ仕切り際の座席では、テーブルは固定式、フットレストが設置できないため、土足禁止面オンリーのオットマンが置かれています。


前面仕切り際では、シートピッチ拡大のあおりで生じたデッドスペースを埋めるように、ガラスのパーテーションが設置されており、窓側はちょっとした個室気分を味わえます。テーブルも広めですね。


こちらはハウステンボス編成のグリーン車。元からグリーン車の車両ですね。


照明は間接照明となっています。昼間ではカーテンを閉めてセットされていることが多いので、とても暗く感じます。


座席です。モノはみどり編成と同じですが、こちらはセミハイデッキ化されており、通路と座席の間に段差があります。


こちらは一人掛け。


全展開してみました。設備面ではグリーン車として必要十分ですね。現在の水準としては、コンセントが無いのが少し残念でしょうか。時代の流れでしょうね。ちなみに後ろの仕切りにあるコンセントは、清掃用のためにあるものと思われます。使えないことはないと思いますが、あまりおススメは出来ません。


パノラマグリーン車からの展望。普通席と構造は変わりませんね。

 

博多駅で西九州方面への列車を待っていてやってきた「みどり」号。何の変哲もない(?)編成かと思いきや‥。

 

何やら側面がいつもの「みどり」編成と異なるではありませんか。実はこれ、1本だけの珍編成だったりします。

 

顔は「みどり」編成と同じですが、側面は汎用編成と同じブロックステッカーなのが特徴ですね。元々「きらめき」・「かいおう」として運用されていた編成で、現在ではこれらの系統とも共通予備も兼ねているためと思われます。この編成のクロハ782-407は、「みどり」編成充当化のために非貫通型だった前面を貫通型に改造した経緯があるため、他の「みどり」編成とは異なり最初からクロハだった違いが有ります。

 

デッキに入ると、かつて公衆電話があったであろう空間が残されています。

 

向かい側にも立ち席カウンターが有ります。飾り照明まで付いて、「とりあえず余った空間を何とか使えるものにしよう」とした意図を感じます。まぁ、無くても困りませんがあっても問題では無いですしねぇ。

 

車内です。先頭から見れば、非貫通型のグリーン車と変わりませんね。

 

しかし振り返ればそこは壁…。ま、まぁ他の「みどり」編成よりはいいと思いますよ、窓割りは合ってますしセミハイデッキですし。

 

その最前列には土足禁止のオットマンと弧を描いた固定テーブルが有ります。

登場から30年が経過しまだまだ活躍が続きますが、同世代の特急型車両の引退が進む中、活躍はいつまで見られますでしょうか。

 

 

そういえば、昔こんなDE10がいましたね。