JR東海211系0番台 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


国鉄からJRになって30年、JR東海では新型車両の大量投入により国鉄型車両を破竹の勢いで淘汰した結果、JRグループで初めて国鉄生まれの車両がゼロの会社となりました。そんなJR東海の最終国鉄型車両残存率は…0.2%。最後の0.2%は何かと言いますとこの211系0番台、かつては東海道線の快速列車用として登場し、新快速運用にも入ったこともありましたが、大垣-米原間のローカル輸送を経て現在は関西本線名古屋-亀山間で使用されています。しかし、朝夕のみの運用でその他の時間帯は昼寝しているため、出会う機会が少なくない状態でした。


車内です。JR東海の211系といえば、「ロングシート」の5000番台 を連想させそうなものですが、0番台の2本だけはセミクロスシートとなっています。座席配置も含めて、113系の正常進化した姿とも言えるでしょう。


ドアです。化粧板が貼られていないところに国鉄イズムを感じます。


車端部です。国鉄近郊型車両らしく、妻窓はありません。


優先座席の車端部です。やはりモケットの色が違うだけで印象がかなり異なっています。


トイレのある車端部です。妻面付近は蛍光灯が一本のみのため少し暗くなっています。


最前面です。5000番台ほどではありませんが、首都圏の211系と比べて仕切り窓が大きくなっています。とは言え、前面展望が出来るのは中央の窓くらいで座席側は両方とも設置位置が高いので、座りながらの前面展望はなかなか難しいのではないでしょうか。


天井です。照明はカバー無しの蛍光灯、送風補助としてラインデリアが設置されています。


窓です。一段下降窓で、日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンです。テーブルが廃された代わりに窓枠部分が拡大されており、ペットボトル程度のものならおくことが出来ます。柱部分にコート掛けがあるのがまた国鉄車らしいですね。これは形を変えて現在でも313系に設置されています。


座席です。ドア間はボックス配置のセミクロスシートです。


まずはボックスシートから。形状は従来車から一新されており、バケット化や頭部にレザー貼り付け、持ち手の大型化などがされています。座り心地は、ここ25年以上の使用でクッションがくたびれているようで、腰周りが落ち着かなかったかな、と言った印象ですね。


ドア横はロングシート。こちらもバケット化がなされています。注目すべきはボックスシートの背面処理。背面に逆傾斜をつけることでロングシート側へ余裕を持たせ、なおかつ肘掛としての機能を少しながら持たせるスペーサーを入れているところに気配りを感じます。


一部には車椅子スペースが設置されています。ボックスシートを一組撤去し、ロングシートを移設することによってスペースを作り出しています。付帯設備は握り棒とヒーターとなっています。横には避難用のはしごも置かれています。


車端部のロングシートです。5人掛けとなっています。座り心地は割と硬め。座面に関しては底付き感がぬぐえず、背ズリに関してもクッション性はあまり良いとは言えず、好き嫌いが分かれるところではあります。


優先座席はシルバーシートをイメージした濃い灰色です。


トイレ横に関しては、中が直接見えないように枕木方向に座席がセットされています。ここ、普通に113系のようにボックスシートを置けばよかったのでは?(^^;;


トイレです。中は当然和式です。


さて、ここからはオマケです。この0番台が登場した当時は車内でも喫煙が可能な時代でして、中には喫煙後吸殻を靴の裏で消火処理してそのままポイッ・・なんてこともあったとか・・。まぁそれはさておき、車内喫煙が認められていた時代に登場した車両でしたので、至る所に灰皿が設置されていました。現在では灰皿は撤去されていますが、あちこちにその痕跡が・・。


機器類がある場所には多少ズラされて設置されていたようです。かつて消火器が設置されていたであろうスペースも今ではがらんどうとしています・・。


クロスシート区画にも設置されていたようで、窓下にビス穴の跡が残っています。他とは違い、6ヵ所の穴があったようです。


最後にボックスシート背面部分。こんなFRPの場所にも設置されていたとは・・。

JR東海管内で最後の国鉄時代を知る車両となったこのグループ、二本しか存在しないため何かと中途半端な存在で、現在飯田線で走っている213系が関西本線で走っていた時も同じような使われ方をしていました。セミクロス配置を生かした有効な活用方法があったとも思うのですが、ひっそりと引退してしまいました。


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