JR西日本キハ120形 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

 


平成3年に登場した地方非電化路線向け気動車のキハ120形です。国鉄から継承された一般型気動車や、キハ58などの急行型気動車置き換えのために新製されました。基本的に閑散路線を走行するのと、輸送力の適正化を図るためか、車体が16m級と小型になっています。画像は関西本線の加茂-亀山間で使用されている亀山鉄道部の車両です。0番台と300番台が配置されています。


またバス部品を使い回しているため、おおよそ鉄道車両と言ってよいのか微妙な所ではあります。やはり「レールバス」という言葉がしっくりきますね。車両の小型化の影響は、本数の少ない各路線の通学時間帯の列車の大混雑という所に出てきています。誰が巧いこと言ったか、「田舎でも車内の混雑は都会並み」と・・。で、こちらは岡山気動車区に配置されている車両です。津山線全線、因美線の智頭-津山間、姫新線の佐用-新見間、伯備線・芸備線新見-備後落合間で使用されています。

 

こちらは因美線で早朝に運転されている快速列車です。

 

幕は元々白地に黒文字でしたが、黒地に白文字でアルファベット表記が追加されたものに更新されています。で、更新後も「快速」の幕が追加されなかったので、快速運用時はワンマン表示の下に「快速」の札を差し込んで表示します。近鉄吉野特急みたいですね(^^;;  なお、体質改善車では快速幕が追加されているようです。

こちらは浜田鉄道部所属車両です。山陰本線出雲市-益田間をメインに使用されています。2018年3月31日までは廃線となった三江線でも主力として入っていましたね。

 


側面上部に赤帯がなければ、まるっきり東武鉄道ですね(^^;; 

 

また先程少し触れた三江線では、「三江線神楽号」というラッピング車両が走っておりました。現在は消滅しましたが、山陰本線を走るキハ126がそれを受け継ぐようにラッピングされて走っています


木次鉄道部所属車両です。画像は0番台です。

近年、鋼製車両の塗装単一化が進行していますが、木次鉄道部のキハ120形も例外ではありません。タラコ化されてしまいました・・。221系と同じような灯具配置となっているのにどこか間延びした印象に見えるのは、恐らく外側に寄り過ぎていることと、灯具周りが黒色塗装されていないからかと・・。221系のかっこよさは、灯具周りの黒にあると思います。

 

敦賀地域鉄道部所属の200番台は、単色塗装になっているものの全ての車両がラッピング車両になっています。


広島支社で活躍する車両です。広島以西の非電化区間で使用されています。

 

備後落合にて、岡山の車両と並びます。

 


こちらは富山地域鉄道部所属車両。こちらからの角度では、前面がアイスグリーン、側面が上部が赤、下部がアイスグリーンとブルーの帯となっていますが、反対側は前面が朱色、側面が上部がアイスグリーン、下部が赤と黄色という、正反対の色使いをしています。


こちらは大糸線用の金沢総合車両所富山支所の車両。元々全国で最後のキハ52運行路線でしたが、岡山からやってきたこの車両が全車置き換えています。配色は国鉄一般型塗装に似ていなくは無いですが、せめて塗装は変えて欲しかったなぁ・・。


コストカットに念頭を置いた車両であったため、元々トイレは設置されていませんでしたが、本数が少なく所要時間が大幅に長くなる路線が多いために苦情が絶えなかったことから、後にトイレが増設されています。ステンレス車体は窓をふさいだ跡がしっかり分かります(^^;;


あら、左右で窓配置が微妙に違う・・。そういえば、JR世代の車両なのに、台車からのジョイント音が国鉄型車両のような音なんですねぇ。なぜでしょうか・・。

 


車内です。こちらは木次線に所属する200番台です。座席がバケット化されていない最初期の車両です。


こちらはキハ120で一番よく出くわすであろう300番台の車内です。200番台から車内もちょこちょこと変化が見えます。


そして、200番台よりも後に登場していながらなぜか基本番台となっている0番台の車内です。オールロングシートとなっています。パッと見外観は300番台と同じなので、中に入った瞬間に残念な表情を浮かべることになりそうです・・。


ドアです。折り戸となっていますが、関西圏の私鉄特急車両で見かける折り戸とは構造こそ同じですが似て非なるものです。

 

大型の窓はもうバスそのもの。なんとも頼りなく見えるのは私だけでしょうか・・。気動車特有のステップも存在します。ちなみに乗降がある度にこれまたバスのようにブザーが車内に鳴り響きます。


富山鉄道部の車両は、半自動扱い時は手で開ける事になります。前者が内側、後者が外側の画像です。この折り戸、見た目はチープで頼りないイメージですが、手で開けるとなるとかなり重いです。そして、外側は「手で押して開けてください」と書いてありますが、つまみを持ってそのまま押すと、フツーに腕を挟みます(^^;;
 


運転台です。地方気動車でよく見かける半室構造となっています。右側では至近距離での前面展望が可能です。ここはかなり良い点ですね。ですがステップの上に立ったり、運転士の方の気が散らない程度でやりましょう・・。画像は2両編成時です。運賃箱が収納され、往来が可能となっています。


ロングシート車の最前列からの眺めです。ちなみに窓上に方向幕があるのですが、なんと「手動」です(^^;; 終着駅で運転士がレバーをグルグル回します。平成生まれの車両でこんな光景を見ることになるとは・・。


運転台反対側のドア横にはドア開閉スイッチがあります。もちろん押しちゃダメですよ(押せねぇよ)。


貫通扉上には運賃表があります。これもバスでよく見られるタイプですね。

 

で、現在はLCDディスプレイに更新されています。全国的にLCDタイプが広がっていますね。


天井です。蛍光灯にはカバーがかけられています。本数は少なめなので、夜になると割と暗くなります。

 

窓です。こちらは200番台のもので、2段窓で開閉可能となっています。この頃になると二段窓は少数派になりつつあったと思うのですが、なぜこうなったのかが興味深いですね。


で、そういう思いがあったのか、0・300番台は1枚固定窓です。日除けは横引きのカーテンとなっています。これは意外でした。


座席です。まずはロングシートから。画像は200番台です。バケット化されていないところに、初期車の雰囲気が漂います。


0番台と300番台のロングシートです。バケット化はされていますが、そこまで強調されたものではないので、空いているときはゆったり使うことが出来そうです。袖仕切りがパイプ一本と何とも頼りない・・。


優先座席です。西日本お馴染みのピクトグラムが散りばめられたものです。なお、現在は緑色ベースのタイプになっているため、このタイプは存在しません。


しかし中には通常モケットの優先座席も存在していました(^^;;


続いてクロスシートです。まずは200番台の座席からです。

 

この手の車両にしてはテーブルが省略されずに存在しているのが奇跡です(笑) 足元に配管が残っているのは時代的に仕方が無いでしょうか。座り心地ですが、見た感じは割と悪く無さそうなのですが、実際木次線を乗り通すとなかなか応えますよ、これ。背ズリの角度が見た目以上に垂直なおかげで座っている間はずっと背筋が伸びた状態ですし、全体的にクッションが柔らかめなので姿勢も安定しない等、かなり辛い思いをすることになります。通路側には頼りないながらも肘掛がありますが、窓側には肘を休めるアイテムが何一つありません。少し張り出した窓枠が唯一の救いでしょうか。


300番台のクロスシートです。200番台と比べると形状が一層簡素化されています。座り心地は200番台とそう変わりありません。改善点を挙げるとすれば、立ち席の方のための持ち手が大型化されて持ちやすくなっていることですね。肘掛の形状もさりげなく変わっています。


・・両番台に共通することですが、クロスシート下にはエンジンがあると思われ、それなりに高出力なエンジンを持つ同系列ですから、なかなか酔いやすい場所であると思います・・。なお、トイレがある側のクロスシートには足元に配管が出ていますが、その向かい側となるこちらは配管がありません。車窓や太陽とも相談しつつですが、余裕があれば考えて座ってみてはいかがでしょうか。

 


トイレです。先述の通り後の増設です。入口が狭い上にステップになっているので、足元にお気を付け下さい。中は洋式です。実はこの形式のトイレは、入ると少し怖い機能を持ってまして・・。いや、それは乗ってからのお楽しみ(?)としておきましょう(笑)


ちなみにトイレ使用時は左のマークが点灯します。右側は普段点灯することが無いので何かと思っていたのですが、芸備線の新見から備後落合を乗り通した時に分かりました。使用停止サインだったのですね。しかし単行ワンマンカーでそれなりの距離を走行する運用にトイレが故障している車両をぶち込むのはどう考えても間違えてると思うのですが・・。新見の留置線には何両かのキハ120がたむろしているだけに、その思いはより一層・・。

同世代に登場した16m級気動車が軒並み引退していく中、現在キハ120は事故廃車を除けば1両たりとも欠けることなく全車両健在です。他社の引退理由が「老朽化の進行」なのですが、まだまだそんな雰囲気を見せない上、JR西日本の車両に対する方針のためか、特に置き換えられる様子も無く、むしろ全車が体質改善工事を受けて、向こう20年は使われそうな勢いですね(^^;;