近鉄は昔から異なる制御装置を持つ系列同士での併結を行って来た会社として有名ですが、その増結用車両としてどこでもみかけるのがこの1220系や1230系です。編成両数やVVVFインバータ制御器の製造会社・ワンマン改造などにより更に細かく系列が分けられているため、全容を知るのは極めて困難です。運用範囲もとにかく広く、系列単位で見ると愛知県名古屋から兵庫県は阪神神戸三宮まで、2府4県をまたにかける実はすごい系列です。まぁそれぞれ運用は分けられていますが(^^;; それでも、近鉄に乗ればどこでも見かける顔ですよね。
奈良線所属車両です。前述の通り、画像のような近鉄線内完結の急行から、阪神直通の8~10両編成快速急行にも使用されます。
こちら名古屋線系統に所属する1230系。ワンマン運転対応となっており、2両編成で普通運用に就いています。
車内です。平成初期の近鉄電車らしい4ドアロングシート車です。
ドアです。窓は扉いっぱいにとられていて、化粧板も貼られています。ドア横の立ち席スペースは皆無といってもいいですね。
車端部です。妻窓があり昼間は日光を取り入れられますが、仕切り扉の窓は小さめです。この辺りは平成初期登場だと当たり前のデザインでしょうか。
優先座席を有する車端部です。以前の近鉄の車端部は両側で長さが異なっていましたが、この辺りの車両からは両側の長さが揃えられています。おかげで、車端部長さの異なる車両が現役のうちは、乗車位置はあくまで目標で、確実にそこに止まるということはありません。
最前面です。座席は設置されていないためガランとした印象で、仕切り窓も高く前面展望にはあまり向きませんね。
もう一枚ご覧いただきましょう。増結する際にはこのような形になります。かつて車掌台側は開放されていましたが、現在はロープが張られて立ち入り禁止となっていますね。そして避難用のはしごがデンと置かれています。
名古屋線系統ではワンマン運転を行う関係から、運賃箱が置かれています。また仕切り扉上には運賃表示機も設置されています。LCDディスプレイでの表示となっており、何気に近鉄の一般車では初採用となっています。まさかこんな形で採用されるとは(^^;;
天井です。近鉄特有の三角形の蛍光灯カバーがかかります。連続した冷房吹き出し口に、ポツポツとラインデリアがあります。
窓です。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプです。色が青のためか、少し古臭い印象です。
座席です。ドア間は6人掛けです。袖仕切りは肘掛・座面と背ズリの側面モケットの保護・立ち席分離の3役をこなしています。
JR西日本よろしく、ドア間が丸々優先座席に指定されているものもあります。モケット色はシルバーシートを思わせる明るい灰色です。
車端部の4人掛けです。座り心地としては柔らかく快適で、高めに取られた背ズリもあいまって割と良い座席です。ただ安定しにくいので、長距離では座りなおしをする必要がありそうです。
そして優先座席。窓は一枚のみなので、旧来車と比べると多少の閉鎖感があるかもしれません。
一部の優先座席ではモケット貼り替えで青味の混ざったものも存在します。
その後ですが、優先座席付近に変化が見えています。まず、吊革が黄色に変わっています。
また、床面には優先座席のステッカーが貼られています。
程なくして、近鉄で全車的に実施されている座席のモケット変更がこの系列でも実施されています。どの車両もそうですが、一気に寒色系となりました。
という訳でその座席。モケット貼り替えだけで特に座り心地は変わりません。袖仕切りのデザインはそのままですので、アクセントと取るかちぐはぐと取るか、人により意見が分かれそうです。
お次は優先座席です。
オレンジベースのモケットで一般座席と区別しています。床面には先程と同様の優先座席表示のシートもあります。
ドア間の優先座席です。JR西日本や南海では両側にセットしてしまっていますが、近鉄では片面のみの設定です。
近鉄線内のみならず、他社でも神出鬼没のこの系列、今日も様々な場所で出没します・・。
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