阪神8000系 タイプⅠ(試作車) | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

阪神電鉄で一番震災で被害を被ったのがこの8000系試作車でしょうか。前面は他の8000系と違い、それまでの車両と同じものとなっています。阪神淡路大震災で大阪側3両が廃車され、元町側の3両だけが残る形になっています。そんな試作車にもリニューアルが施され・・てまさかこの編成にも施されるとは思っていませんでした(^^;; 気付けば、本線で活躍するこの顔の赤胴車はもうこいつしかいないんですね・・。


被災廃車された代わりにやってきたのはこれまた被災して一部車両を失った編成から持ってきて対処しました。おかげでやれ両先頭で顔は違うわ窓も違うわ断面積も違うわとなかなかカオスな編成になっています(^^;; 

 

近年、前面の表情が少し変わりましたね。

 

前照灯がシールドビームからLED灯に交換されています。一応、貫通扉にヘッドマーク受けが残されていますが、現在副標は他の急行系車両と同じく車掌台側窓の上に取り付けられています。長らく運用は直通特急以外の急行系運用でしたが、現在は山陽電鉄本線の信号機設置位置の微修正を行った上で直通特急運用にも就いています。今回はそんな試作車である元町側3両を取り上げます。


車内、まずはロングシート車です。リニューアルされ化粧板が明るいものに変更されていますが、やはり二段窓が古さを感じさせます。


続いて中間に設定されたセミクロスシート車の車内です。中間1両がこの形態、まさかこの2段窓の車両にクロスシートが設置されるとは・・。


現在のセミクロスシート車です。変更点は後ほど触れましょう。

ドアです。タイプⅡ以降の車両と比べると肩部が丸く、かつ狭くなっているためドア上が比較的スッキリしています。リニューアルに際してドア窓が凹凸が少ないものとなり、両端にイエローラインが追加されています。


LED表示機が設置されたドアです。千鳥配置で、字はかなり小さく視認性は高くありません。リニューアル前は無かったことを考えると、立派にはなったものですが…。

 


車端部です。ロングシート・クロスシート共に車端部の仕様は変わりません。が、やはり他の8000系と比べると違いは出るもので・・。


違いはこの仕切り扉。窓が狭いままの仕様で、リニューアルされてもそのままです。持ち手も長いタイプではなく、昭和の時代には極々どこにでもあるものになっています。

中間運転台が設置された車両は両側に機器スペースが設置されています。

フリースペースと優先座席を有する車端部です。こちらは寒色系の色使いとして区別しています。

 

天井です。他の8000系とは違い、冷房装置が中々ごつい形状となっています。すっきりした見た目となるのは量産車からですね。


こちらはセミクロスシート車両の天井です。ドア間のクロスシート部分の吊革支持棒が車両の中央寄りに設置されており、吊り広告がかかる部分はわざわざ指示棒を分断するというこだわりっぷりです。


さて窓です。二段窓のまま存置された窓は上段下降・下段上昇式です。やはりすれ違いのときにバタつくんですよね・・。

 


セミクロス車はこんな感じ。当然窓割りは全くもって期待できません。


なお現在は下段のツマミが撤去されて固定されています。


座席です。リニューアルに伴いバケットタイプのロングシートに改められています。袖仕切りはパイプ式、横方向に渡して肘掛けとしても使えるようにしていますが、やや高めに配置しているため使いにくいですね。

車端部の5人掛けロングシートです。編成中央については中間運転台があるため肘周りに余裕があります。



車椅子スペースとセットになった優先座席のロングシートです。手すりのみがあるだけである意味立ち席スペースですね。パイプ高さが合っていないのか、座席袖仕切りのパイプに無理矢理くっつけてます(^^;; 消化器は車内側に張り出すように置かれているため、端に座ると邪魔に感じてしまいます。


現在はベビーカーマークを追加してフリースペースとなっています。


続いてクロスシートです。ドア横は固定クロスシート、中程2脚が転換クロスシートとなっています。

リニューアル当初と比べると、ヘッドレストカバーがフルカバータイプから部分的なものになり、通路側の肘掛けの形状が変わっていますね。ロングシート同様に全体的に硬めの仕上がりで、バケットこそ薄く付いているもののほぼ扁平であまりよいものではありません。


固定クロスシートは転換の必要が無いためか背ズリが自然な形状をしており、座るなら断然こちらがよろしいかと。ただ視界の半分は戸袋なのが残念なところでしょうか。

 

本線上最後の狭窓の赤胴車、リニューアルされてまだまだ活躍が望めそうです。

 

さて、ここからは38年ぶりの阪神タイガース日本一を記念して副標シリーズへとまいりましょう。18年ぶりのセントラルリーグ優勝を決めた翌日より、特別副標を全列車に掲示して運転をしておりました。

 

そしてシーズン終了からクライマックスシリーズまでの長期ブランクも何のその、ファイナルステージをストレートで制して同じ関西に本拠地を置くオリックスバファローズとの日本シリーズ開催が決定し、これまた特別副標が入れられておりました。この史上二度目の関西ダービーは、お互いの本拠地を快速急行でダイレクトに結べることから「阪神なんば線シリーズ」とも言われましたね(笑)

 

その阪神なんば線シリーズは第7戦にまでもつれ込む熱戦となりましたが、阪神タイガースが38年ぶりの日本一となり幕を閉じました。そして、翌日より特別副標が入れられました。そう言えば、この車両は前回の日本一を知る、阪神電車の中でも貴重な存在です。その間にいくつもの車両が生まれては引退し、とても長い月日が流れてしまいました。日本一、本当におめでとうございます。