JR西日本新快速の系譜番外編 近鉄5200系~敵に塩を送ってしまった電車~ | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

※今回、車両自体は近鉄の車両でテーマも近鉄にしてますが、

事実をとりあげる側面から題名はこの項に入れておきます。

 

近鉄唯一の転換クロスシート車、5200系です。長距離移動客から旧型車両についての苦情が出てきたために開発されました。3ドア転換クロスシートという構成は後々に全国に広まっていきました。全国・・そう、それはライバルであるJR西日本にも広まったことを意味します。221系 はこの系列をベースとして子会社である近畿車輛で開発されたものです。歴史に「もし」は禁句ですが、この系列が生まれなかったら、また近畿車輛が221系 をベースにしなければ、今のJRの一人勝ち状態が少しは変わったのかもしれません。

 

トップナンバーですね。近鉄自身もこれを悔しがってこの系列に因縁をつけている…かどうかは分りませんが、名古屋線所属編成は中長距離運用がされるものの、大阪線所属編成は昼間は普通電車などの近距離運用が多かったり車庫で寝ている編成も多いようです。

車内です。3ドア転換クロスシート車のパイオニアここにあり。この編成はリニューアルが施され登場時とは車内が変わっています。カラーコードはシリーズ21と同様のようですね。リニューアル前の編成には乗ったことが無く今回初めて踏み入れた次第。申し訳ない…。確かリニューアル前は、灰色の座席にビニールレザーのカバーがかかったものだったように思います。詳しくはこちら のサイトでどぞ。

ドアです。大きい窓に化粧板の貼られたドアはもう見慣れたものです。ドア上のLED表示機が小さくて見づらいですね…。周りを飾るデザインはお見事ながら、機能的ではないですよね。

 


車端部2種類。上が両先頭車で、下が中間車です。トイレは洋式です。向かいの座席が心なし暗く見えるのは仕方ないですね・・

 

最前面です。両側の窓は高くて小さいですが、仕切り扉だけは大きく取られています。この仕切り扉と貫通扉が大きくとられたデザイン、後に阪急8000系以降のベースになったとも。左側は車椅子スペースになっていて、手すりが増設されています。・・それだけですが(^^;;

 

天井です。近鉄独特の三角形のカバーがかけられた蛍光灯に注目です。つり革は増設されたもので、座席上のつり革は内側に設置されています。細かいですが配慮の跡が伺えます。

 

窓です。比較的大きなもので、カーテンは爪を引っ掛けるものです。

さて座席です。ほぼ全てが転換クロスシートになっています。このタイプの座席は山陽5000系 中期車 でも導入されていますね。


リニューアルを機にモケットが変更され、ビニール製のフルカバータイプのカバーから布製のものに交換されました。見た目としても着席感としてもこちらの方が一歩上ですよね(^^) 座り心地は非常に柔らかいもので、長時間の乗車では逆に着座ポイントが安定しないのがちょっと・・なところではあります。まぁ近鉄唯一の転換クロスシート車両なわけで、大目に見てやるのがいいんでしょうね。


座席下は空いてはいませんが、足が伸ばせるようにくぼみになっています。この辺の配慮も怠りません。

ドア横は仕切りになっています。極力ボックス席の増加は避けたいという会社のポリシーでしょうか。

 

車端部を見ていきます。ドア横は転換できますが、壁横は同様の座席が設置されているものの固定されています。ですので、進行方向によってはボックス席ができる(または2列とも反対向きを強いる)ことになります。恐らく近鉄としてはオール転換クロスシートにしたかったのだとは思いますが、壁際とドア横のスペースが完全に死んでいるため泣く泣くこの配置にしたのではないでしょうか。

 

車椅子スペースです。非常通話装置が設置されている以外に特筆すべきものは設置されておらず、体のいい立ち席スペースになっていますね。

 

現在はベビーカーマークのステッカーが追加され、フリースペースとなっています。

 

トイレです。登場当初は和式でしたが、車体更新に合わせて洋式に交換されています。また便座クリーナーや鏡も追加されており、料金を取らないいわゆる「普通列車」の中ではかなりレベルの高いトイレとも言えそうです。
 

リニューアルが施された同系列、今しばらくの活躍が期待できそうです。今日も快速「みえ」を相手に快走していることでしょう。

 

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