・読み終わった日:2013年8月30日
・人物:僕、島本さん、有紀子、大原イズミ、
・ストーリー:
僕は一人っ子であることにコンプレックスを感じていたが小学5年生のときに転校してきた同じく一人っ子で足の悪い島本さんと親しくなる。
進学により学校が別々になると自然消滅し僕は高校で大原イズミと交際する。
学校卒業後普通に仕事をしていたが有紀子に会い結婚する。
そして義父の支援を受け都内で2軒のバーを経営し成功する。
しかしあるとき島本さんと再会し追いかけるが。。。
・感想:まあまあか。
それなりにストーリーは流れていて興味をそそられるものはある。
しかし登場人物のキャラクターや女性との絡み、性描写や展開など基本的には今までを踏襲しておりそれを言葉を変え演出していると言える。
今までは「浮気」という感じだが今回は「不倫」だ。
不倫に興味のない仲のいい夫婦、仕事が忙しく日々の生活で精一杯という人が読んでも何も感じないと思うし単なる欲求不満の溜まった男女のガス抜き小説と思うのでは。
ラストもはっきりせず消化不良という感じがした。
紳助曰く「一人っ子は淋しかった!」と。
だから寂しさを誤魔化すために明るく振る舞うかさびしさを隠さないか、の二つに分かれるという。
一人っ子は人間としての経験が足りないと言われがちだしその点をみんな気にしていると思われる。
小生も足が悪かったから分かるがジロジロ見られて意固地になってしまいがちだがそういうところは読んでいて辛い。
小生も主人公の立場になれば同じことをするだろうなあ、と思った。
かつて好きな人を思い続け久しぶりに目の前に現れたら妻にウソをついて密会を重ねる。
どこかでけじめをつけなければ思いつつだらだらと関係を続ける。
義父はたたき上げの土建屋だし「危ない橋」を渡らないとやっていけない世界なのかな、と思った。
小生には建設関係の知り合いがいないから分からないが。
でも読んでいて我に気づき危ない橋を回避したときはホッとしてしまった。
男ってやはりお金があって健康ならば100%浮気するなあ、と思う。
女性も結婚の際その辺を考慮に入れないと大変なことになるなと。
小生の周りにも不器用な女性がいるが待っているだけでは望んでいる男は得られないのだから、ここぞ勝負と思ったら「好きです!結婚してください!」と積極的にアピールしたほうがいいのではと思うが。
小生も下手遠慮して損をし続けた人生なので反省と後悔を込めて思う。
タイトルの意味がよく分からないなあ。
多分意味があると思われるが。
そういった細部の音楽や本を調べておくと余計本書が深く理解できるのだろうが。
最高傑作という人もいるようだがブルジョア的なお洒落な不倫小説という感じ。