村上春樹 「1973年のピンボール」 感想編 | 七転び八転び!? 15分で1冊 

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人生、いいことの方が少ない。

「薬害エイズ訴訟」の体験とそれまでの過程、読書の感想と要約をを綴ります。

・感想


正直好きではない。


凄い作品だとも思えない。


いろいろな「点」が最後は「線」になり「絵」になるのかなと思っていると別に関係がなかったりすることが多い(繋がっていたのが捕まえられなかったのかもしれないが)。


本作品は前作品「風の歌を聴け」と話が繋がゆっているので前作品を読まないと意味がないと思う。

好みの問題なのかもしれないがセックスの描写がないのはいいがそれ以外で余分な細かい描写が多い気がする。

例えば食事のシーンとかそうだが後の重要なポイントなのかといえばそうではない。

こういった辺りがアメリカ文学っぽい。


かと思うと急に意味深な言葉が挿入されている。

何かを象徴しているのかな、と思ったりするがよく意味がわからなかった。


誰だって若くったって悩みは抱えている。

言いたくても言えない事もあるだろう。そういう意味では小生も経験あるし半分共感できる。

「半分」というのは最終的には「金持ちの戯言」にしか聞こえないからだ


「うじうじ言う前に行動しろ!」と言いたくなる人もいるのではないか。

「言っても分かってくれないし、自分自身もよく分かっていない」みたいなのがあったが、そうであってもアメリカ人のように何はともあれ心情吐露してぶつかることが必要なのではないのか。

例え結果として失敗しても。


会話もすかしてばかりだし「ぶつかることを避ける。安全運転の会話。立ち居地はいつもニュートラル」。

作者の意図はそうではないのかもしれないが小生にはそういった印象だ。

過去を何時までも引きずるの作者のスタイル。


小生もそういった面があるがピンボールをあそこまで追いかけるのは「凄い執着心」というより「粘着質の強い気持ち悪い人」と感じてしまった。


今思えば「DINKS」のはしりだったかもしれない。

何となくセックスして何となく結婚して子供を作らず友達感覚の夫婦関係で異性の友達と二人だけであっても問題はない。

お互いに見て見ぬ振りをしてそのことは干渉しない。

そして当時の「DINKS」を実践した人たちは現在「成功者」ではなさそうだ。。。


本音を言えば「好きになれなかった作品」だった。