村上春樹 「1973年のピンボール」 前編 | 七転び八転び!? 15分で1冊 

七転び八転び!? 15分で1冊 

人生、いいことの方が少ない。

「薬害エイズ訴訟」の体験とそれまでの過程、読書の感想と要約をを綴ります。

・読み終わった日:2013年6月26日


・人物:「僕」(翻訳会社経営者、鼠の友達)、鼠(「僕」の友達)、ジェイ「中国人、バーの経営者兼バーテンダー)、双子、直子(「僕」の恋人)


・ストーリー


「僕」は見知らぬ土地のことを聞くが病的に好きだった。

話す人も上手い人、やたら下手な人など様々だった。

話した相手に土星生まれの人がいてかつ政治的グループに属し大学の9号館を占拠しいていた。

「僕」はそこに行って話を聴いたが土星は寒く引力が強いと言う。

そして大学を出たら土星に帰り立派な国をつくるとして今していることは革命だと言う。

1969年の春、「僕」と直子は20歳で大学のラウンジに座っていた。

直子は「僕」に街の説明をしたが上手く説明できずにいたが駅のプラットホームに犬が散歩しているということは分かった。

4年後「僕」はその犬を見たくてその駅を訪れた。

しかし犬はいなかった。

「僕」は違和感をしばしば感じる。
そんなときはウイスキーを飲んで寝るが朝起きると状態はもっと悪くなっているしその繰り返しだった。

あるとき目を覚ますと両脇に双子の女の子がいた。

こんなことはよくあったが双子は初めてだ。

二人は起きたが名前を聞くと名乗るほどではないと言い適当に付けてくれと言う。


12歳のときにこの街に直子は来た。

この土地に人目を引くものはなく犬さえいなかったと言う。

直子が移り住んだのは洋館造りの家で設計者で最初の住民は洋画家だったがその後肺炎で死んだ。

駅から5分くらいのところに井戸掘りの名人がいた。

50ばかりの気難しい男だったが名人ではあった。

しかし直子が17のとき電車に轢かれて死んだ。

土砂降りの雨と冷酒と難聴のせいだった。

死体はバラバラになった。

二人の息子は後をつかずこの土地から出て行った。


「僕」は石を投げて水面を打つ音ほど心休まるものはなかった。

直子の一家がこの土地に移り住んだのは父が洋画家と親しかったというのがあるがこの土地が気に入っていた。

彼は仏文学の学者だったが直子が小学校にあがると突然大学を辞め不可思議な内容の本の翻訳を始めた。

直子一家が引っ越してきた頃は酔狂な文化人が沢山集まった。

みんな犬を飼い始めすると犬が増え一部は野犬にもなった。


「僕」は駅で1時間ほど待つと犬が来た。

なかなか近づかなかったがチューインガムを見せると入ってきた。

ガムをプラットフォームに投げると犬は走った。

「僕」は家に帰った。


帰りの電車の中で「僕」は「すべては終わった。

もう忘れろ」と言い聞かせていた。

そのためにここに来たのに忘れることはできなかった。

直子を愛しそして死んだことを。

そして何も終わっていないことに気付いた。


金星生まれの物静かな男は金星は暑く、そのため若者の半分は死ぬので、お互いを愛し羨まない憎しみもない悪口も殺人もないという。


「僕」がアパートに帰ると双子はまだいた。

駅に行って犬を見に行ったと言うと双子の1人が悲しいのかと聞くのでうなずく。

そして一人が「僕」に眠りなさいと言うので寝た。


これは「僕」と鼠の話でお互い700キロも離れていた。

1973年9月からこの小説は始まりそれが入り口で出口があればいいと思う。

もしなければ文章を各意味がない。

レイモンド・モロニーを知っている人は少ない。

1934年にピンボール第1号製作した人だ。

これはピンボールについての小説だ。