・読み終わった日:2009年12月11日
・人物:
うめ女(仙子、瑠璃子の祖母)、伊丹仙子(伊丹の妻、うめ女の孫)、伊丹(仙子の夫、ナレーター)、
美濃部幸子(仙子の妹、うめ女の孫、美濃部の夫)、美濃部(幸子の夫、画家)
・ストーリー:
うめ女は86歳で東京で孫夫婦、仙子とその夫伊丹、そして仙子の妹の20歳の瑠璃子と住んでいる。
うめ女は以前は仙子の妹、幸子夫婦と住んでいたが空襲を逃れるため一度は一緒に田舎へ引っ越す。
しかし疎開先は家が狭く幸子夫婦と3人の子供が住むことは困難であった。
そこで東京に住んでいる仙子夫婦は子供もなく部屋に余裕があったため引き取ってもらうことになり住んでいた。
しかしうめ女は体が弱っており夜中のトイレで粗相をしたり家のものを盗んだりとボケらしき症状も出始める。
家のものはみんな苛立つが特に夫の伊丹は激しく怒り、このまま家にいるならいくらでも会社に寝泊りする、と言い出す。
仙子はうめ女を幸子夫婦宅に送り返すことを決意し送り届ける役は瑠璃子一人に任せる。
瑠璃子は大変な思いをしながらもうめ女を届けるが20歳の瑠璃子から見ても幸子宅は仙子夫婦宅より明らかに劣悪な環境だった。
幸子は何の相談もなく突然で、かつたったの3ヶ月で送り返されたことに激怒する。
もちろん夫の美濃部も怒ったが先方は当てにならないといって仕方なくうめ女を引き受ける。
うめ女は益々我儘になり家族が振り回される。
戦争が終ったので、もう少し広いところに美濃部家族は引越しする。
あるとき幸子はうめ女が死んだ、うめ女の妹船子、幸子母親の写真を見て泣いているのを見て哀れに思う。
・感想:
今で言うボケ老人の話だろうが昭和22年の作品というのだから驚く。
その頃からかボケは社会問題だったのか。
もうこの頃からGHQ教育による家族形態の崩壊を批判していたのか。