・読み終わった日:2009年7月1日
・人物:
梶、栖方(高田の弟子、東大の学生、数学者・物理学者・海軍の軍人・俳人)、高田(学者、梶の友達、栖方の師匠)
・ストーリー:
敗戦が濃厚な時期に梶は友達の高田からスーパーマンのような頭脳を持つ高田の弟子の栖方を紹介される。
彼は21歳にして博士課程を修め軍隊から勧誘され軍の武器を発明しているらしくまた趣味は俳句と多士済々だった。
梶は栖方にあって軍の研究中の最新兵器の話を聞かされるがあまりにも非現実過ぎて本当なのか法螺なのか分からなかった。
梶は栖方が頭がよすぎて狂人なのかと思い始め近づかず離れずという微妙な距離を保ちながら関係を保っていた。
ある日、高田の昇進祝いを兼ねた句会に栖方も出席しそれが梶が高田との最後の出会いとなり栖方もそれを感じていたようなことをあとで言う。
梶は栖方とあいまみえないものを感じていたが何故か彼の純真な微笑は印象深く忘れられなかった。
その後やはり敗戦となり梶は栖方のことを忘れていたがある日新聞記事で栖方を知る。
記事によると栖方は敗戦のショックで発狂死しということでかつ彼は何か発明することもなかったということを知る。
彼の研究していた光線は実現できなかったが彼の微笑の光線は人を殺すことができると梶は思い始める。
・感想:
ちょっと読みづらい。
時代より先走り時代が追いつかない人はいる。
そういった人は社会から炙り出され死ぬ運命にあるのか。
頭脳明晰などの天才などに憧れてなりたいと思っていたが天才も大変だし可哀想だと最近思えるようになった。
小生くらいの立場が一番自由で楽なのかと思う。
「美味しいんぼ」に
「カツどんを食える身分が一番いい」
という台詞があるがこのことではないかと思う。
学校の勉強ができても人格が伴わなかったり誰とでもコミュニケーションができなければ意味がないし生きていくには辛いと思う。
雅子さんのように。