残念 | WHISTLE@

残念

WHISTLEではお馴染みの帽子部長 とはたまに電話でお話しするんですが



いつも「その話、日記に書いてくださいよ~♪」と爆笑しながら言うので



旦那様のいびきで眠れない私は、ちょっとばかり昔を思い出しながら書いています。




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18年前に遡ります。




当時はまだ福岡もバブルの名残があった頃で、




当然見栄っぱりな私も、アルマーニだのマックスマーラだのグッチだの




イタリアファッション制覇に勤しんでおりました。




今でこそカジュアルまっしぐらですが、当時は役所の申請、現場説明会など行く機会も多かったので




割としゃきっとしたスーツ系が多かったのです。




そしてイタリアの次のターゲットはUSAでした(オリンピックや)




カルバンクライン・ラルフローレンのコレクションライン・アンクライン等々




最終的に行き着いたのは 「ダナ・キャラン」でした。








安藤優子キャスターが雑誌で 「普通に見えるけど着ると全然違う」




この言葉にそそられた私は、すっかりダナ・キャランにはまってしまいました。




スーツで20万強。カーディガンやセーターが5万以下だと安いと言っていたあの頃




今考えると恐ろしい・・・。あのお金が今あったなら・・・(後悔先に立たず)




そんな訳でたまのお休みさえエレガントスタイルでした。










忘れもしないその日は新調したダナのボディスーツ(セーターでも下着のようにボディスーツ型になっていた)




にヌードベージュのロングカーデガンを羽織り、




シルククレープガーゼのダブルのワイドパンツ




足元は同じくダナのヌードベージュの15センチヒールのサンダル








バッグはプラダのピッグスキンのバッグと洒落込んでおりました。





見るからに嫌味です(笑)





両手には当時6歳だったマリマリと、4歳のゆかぴょんの手を握り





西鉄電車で天神岩田屋へと向かっていました。





福岡にお住まいの方はご存知かと思いますが、





西鉄大牟田線から天神方面に下りる階段、幅が広くて段数がかなりあります。





その階段を娘たちが踏み外さないように「危ないよ、ゆっくりね」と注意しながら






1歩踏み出したとき、例のダブルの片方の裾の中に





15センチヒールが すっぽり 入りました。




右・左・右   右?右右右!!!!




私はかく~んと前につんのめって、正座になりました




その正座の体制で  ずざざざざざざーーーーっと階段を滑って行きました。




幸いなことに娘たちの両手は離していました。




プラダのバッグを小脇に抱えたおしゃれなオバサンは、




白銀のスキーヤーのように正座で階段を滑り降りました。





後から





「ママーーーーーーっ!!!」という幼子の声が聞こえ




気がついたら階段の中腹に着地してました。

(昔は階段が大きく二つに分けられていた)







階段の中腹横には当時土産屋があり、そこのおばちゃんたちが駆けつけて起こしてくれました。





マリマリは放心状態





私はとにかく恥ずかしさで何も無かったような顔をして





「大丈夫ですから、大丈夫ですから」と小声でおばちゃんたちを制止しました。





しかし立とうとするが上手く立てない。




何かおかしい。





なんで?





私の後ろで ゆかぴょんが大声で泣き喚いていました





「ママの足が取れたーーーーーー!!!!!」





ゆかぴょんの手には、15センチヒールのもげたヒールだけが握られていました。





た・・・立てない。




片足は15cm高、





片足はチベットかどっかの民族衣装の靴みたいに





上に反り返っています。





両足が逆向きやねん(笑)






ゆかぴょんは私の足が取れたと勘違いして



(そりゃヌードベージュやからね)






大泣きしてたのです。そんなに細くないよ。(笑)





まあ、大きな怪我も無く済んだのですが、今でも思い出すと顔が赤くなってしまいます。





転ぶときはブランド品は着ないようにしようと





硬く誓った一日でした(ちゃんちゃん)