のしずくが腕を一杯に広げた木の葉から零れ落ちている。緑の芝生には憂いが増している。


心地よい流れるようなピアノの音が耳をくすぐる。ベッドから起きて階段を降りて、シャワーを浴びて、こんがりと焼けたクロワッサンとエスプレッソの匂いと辿ってさらに階段を降りると、ダイニングルームには皆が既にいた。


ピンクグレープフルーツが私の場所できらきらおいしそうに光っている。パン・オ・ショコラはいかが?とダーリンのママが優しい笑顔で聞いてくれる。落ち着く休日のダーリンの両親の家での朝。


だが・・・


外は雨。晴れたり、強風が吹いてみたり、曇りになってみたり。もしあなたが一日のうちに四季を体験してみたいと思うのなら、私はイギリスを激しく勧めます・・・。


もちろんセイリングはキャンセル。私の頭の中にあった、あの上品なヨットクラブの白いインテリアのレストランで昼食の図を消してしまわなければならない。またの機会に。港からダーリンのパパの船が海に出て行くあの感覚がとても好きなのに。眼下に広がる青い大海。自由という言葉が良く似合っている。


雨でも、Salisbury(ソールズベリー)の市場は賑わっている。丸いチーズや巨大なハムの塊。お花屋さん。


ダーリンのおばあさまのいるお年を召した方専用のお屋敷に行った。彼女の部屋に足を踏み入れて、すこしびっくりした。だって、まるでそこが彼女の家であるかのように、温かいインテリアにしてあったからだ。まるで彼女が以前住んでいた家にタイムスリップしたみたい。そんな感覚が、少し悲しかった。でも、寮のような感覚の全くしないその場所は、上品で素敵だった。


共同のダイニングルームにも、アンティークの家具がそろえてあって、キッチンでは雇われている人達が明るく話している。建物の入り口から入って見える階段も、ただの機能的なものではなくて、それ自体個性がある。


私たちが帰る時、ダーリンのおばあさんは、バルコニーからかわいい観葉植物たちに囲まれて、ずっと手を振りつづけていた。


悲しくなる必要なんてないのに、いとしい気持ちと悲しい気持ちが混在していた。


でも、今回も彼女に会えてよかったと思う。電話や手紙で話すのと、会うのとではやはり違う。


ダーリンはその後モーターバイクのテストを受け、ほんとにさらりとしか予習してなかったのに、理論など満点で合格。うらやましい。合流して、住宅街にあるパブにふらりとランチをしに、入った。


イギリスの地方にも、こんなに地元の人に愛されている素敵なパブが。


もちろん、私以外は皆お酒であるエールを飲んでいた。私は飲みたい時には飲めるのだが、普段は別に飲まなくても生きていけるので、お子様風にりんごジュース。


食べ物は、Scampi & ChipsBangers & Mashをダーリンとそれぞれ頼み、交代しつつ食べた。Fish & Chipsは量が多すぎるので無理というかたには、Scampi & Chipsはおすすめである。


さて、今回の帰省?で私が栄養(またはカロリー?)を大幅に補給したことは確かである・・・。


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