50.中途半端な関係
1日中眠った。
ゴロゴロと男の家で寛ぐ。
ダルイ。
夜になって、また男が私の膣の中に入れようとしている。
そういえば考えてなかった。
どうやったら男と別れられるんだろう・・・。
痛い。
私の携帯がなった。
手を伸ばし携帯をチェックする。
男はずっと腰を動かしている。
彼からのメールだった。
<これからセックスでもするんですか?>
私は突かれながら返信する。
<今してる最中だよ>
男が私に話しかけてくる。
「ねぇ、携帯やめてよ」
「別にいいじゃん、いつもと変わらないし」
私はいつも自ら動く事はなかった。
男も腰を振ることで満足だった。
男は何も言わなくなった。
その代わり、腰の動きを激しくさせた。
そんなことしたって痛いだけなのに。
彼からメールが返ってくる。
<ムカつく!俺とはしてくれへんの?>
私はずっと彼とメールを続けた。
彼は本当にセックスの最中なんて思ってもいないだろう。
<いいよ、する?>
<何してくれるの?>
<何して欲しい?>
<すごいの>
<至れり尽くせり!?>
<それって今使う言葉か?>
<使い方間違えた?スペシャルで御奉仕します>
<今度会うのが楽しみやわ>
<うん、楽しみにしといてね>
男がイッた後も、彼とはメールを続けた。
彼とセックスするつもりはない。
彼もそんな気は更々ないだろう。
男と女が話すネタに困ると下に話が転じるのは良くある話だ。
私はあまり得意な方でもないけれど、彼とはまだ深く話ができないでいた。
だけど、また離れていくのではないだろうかとお互いが思ってたのではないだろうか。
私は少なくともそう思っていた。
彼に心が開けないまま、ずっと浅い関係が続けばまた連絡がなくなってしまう。
そう思っていた。
私たちは何故、今、連絡をとりあっているの・・・?
私の話を聞いて・・・。
彼の心に話しかけた。
私を止めて・・・。
彼の心に話しかけた。
もう傷つきたくないよ・・・。
彼の心に話しかけた。
男はまた壁と一体化して眠っている。
帰りたい。
私はDVDを再生し、映画をみることにした。
眠れなかった。
胸が痛い。
彼は前のようにタイミングが悪い。
私の声は、届かないね・・・。
SOSが届かない。
本当は、彼女なんかになりたくなかったよ。
恋愛なんてしたくなかったよ。