田原総一朗のブログが読めるのは《ざ・こもんず》だけ!!


小沢一郎という人物は、政局を読む能力が抜群に高い。そして彼の政治家生命を賭して目指しているのは、政権交代であり、今回の参議院選挙の大勝利はそのためのひとつのステップでしたかない。いま彼が何を考えているかというと、当然ながら嫌自民の暴風が吹いている間に衆議院解散・総選挙に持ち込むことだろう。ここ2日ばかり公に姿を見せないのは、決して自宅で養生しているからではない。ある仕掛けを張っているのだろう。


そのひとつは、9月の臨時国会でのテロ特措法の延長だろう。自民公明の与党は衆議院でこの延長法案を通過させても、参議院で民主党が反対し否決して衆議院に送り返す。公明党としても本心ではアフガンから手を引きたいだろうから、複雑な環境に陥る。


そこから、ドラマは始まる。


自民党という政党は、政権維持のためならどんなことでもやってくる。社会党の党首を総理大臣に座らせてまでも、政権にかじりついた。したがって、与党内で結束が揺らげば、圧倒多数の衆議院も危うくなってくる。安倍総理では選挙に勝てないことはわかっているから、選挙に勝てるタマを必死に探す。誰もがあっという奇術を仕掛けて、担ぐ御輿をつくる。


かつては、自民党にはその名人が必ずいた。亀井静香であり、野中広務であった。しかし、亀井も野中も、小泉純一郎が自民党から追い出してしまった。


そこで、小沢一郎が仕掛けてくるだろう。どんな奇術かというと、「小沢首班、自民民主大連立」政権だ。これを打ちあげた瞬間に、民主党の中から到底この策略には腹を据えかねる一派が飛び出す。公明党は、党も支持団体まるごとこれを認めることはできないので政権離脱。残ったのは、政権が欲しい小沢民主党と、政権を手放したくない自民党の連立政権であり、これが起こりうる政界再編だと私は思う。