テレビでは、健康番組が人気を博しています。
しかし、情報のねつ造で、
終了に追い込まれた番組もありました。
健康の話題を毎週提供しなければならなくなると、
とにかく時間内に健康に良いという食材や健康法を
かき集めてきて、番組にせざるを得ないのかもしれません。
そのため、良いと思われる一面のみを切り出してきて、
マイナス面や、背景などが無視されることがあります。
その良い例が『欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」』
（奥田昌子著、ブルーバックス）に紹介されています。
赤ワインにはポリフェノールが含まれているので、
体に良いという話です。
そのおかげで、日本では赤ワインブームになりました。
「良い」という理由は、フランス人は肉やバターなど動物性脂肪を
多くとっているのに、心臓病による死亡率が欧州で一番低い
ということです。
しかし、実態は、日本は心臓病の発症率が世界で最も低い国の一つで、
死亡率もいフランスより低い。
つまり、わざわざ赤ワインを飲む必要はないということです。
しかも、ポリフェノールは、
私たちが普通に口にする、コーヒーやニンジン、
ホウレンソウ、大豆、ゴマなど、
好き嫌いなく食べていれば十分摂取できるとのこと。
むしろ、アルコールの摂取が害になるそうです。
健康番組も、これだけたくさん放送されると、
どうしても、質の悪い情報が紛れ込んでくるでしょう。
それに、赤ワインもそうですが、一部を切り出してしまうと
本当のことが見えなくなる危険性があります。
健康情報に限りませんが、情報が氾濫する現代、
鵜呑みにしないよう注意してください。
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天命工房
代表 木下敬史