「女系天皇容認」をどう考えるか/高崎経済大学助教授 八木秀次氏に聞く | 世界日報サポートセンター

「女系天皇容認」をどう考えるか/高崎経済大学助教授 八木秀次氏に聞く

天皇の正統性 喪失の危機に直面
国民から消える尊崇の念/男系継承こそ皇統の根幹
国の形を変える目論み謀る委員


 秋篠宮殿下以来三十五年間、男性皇族の誕生がない中、皇室典範の改正を検討してきた小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」はこのほど、女性・女系天皇の容認を打ち出した。世論はおおむね好意的だが、保守陣営からは天皇家の根幹を覆すもの、との批判が高まっている。日本の伝統に直結するこの問題について、八木秀次高崎経済大学助教授に聞いた。

(聞き手=編集委員・鴨野 守)



 ――八木先生は早くから、女系天皇容認論に異を唱えてこられました。改めてその理由を伺いたい。


 今上天皇に至る百二十五代の天皇は、初代の神武天皇から一貫して、純粋に男系だけで継承されています。その中には八人十代の女性天皇もおられましたが、いずれも男系女子です。男系女子の天皇が皇族以外の方と結婚してお生まれになったお子さんは男子であれ女子であれ、女系になりますが、その方が天皇になられたケースは過去に一度もありません。つまり、過去に女性天皇は存在されても、女系に移ったことは一度もないということです。

 男系に男系を重ねることはとても細い道筋です。女系とは、その純粋な男系以外を指しますが、女系容認は、これまで純粋に男系で継承されてきた天皇の血筋を、別系統に移すことを意味します。天皇・皇族という存在は初代の神武天皇以来の男系の血を継承する立場にあり、一般国民はそれ以外であるという両者の決定的な血筋の違いが、女系を認めることで無くなってしまうのです。


 ――父方をさかのぼっていけば、初代の神武天皇に行き着くという点に、皇位継承の原理がありました。それが変わってしまえば、天皇家の存在はかえって不安定なものになってしまう、誰でも皇族になってしまう可能性があるということですね。


 有識者会議が目指しているのは、結婚すれば誰でも皇族になれるシステムづくりです。同会議の構想は天皇・皇族の子孫は永世にわたって皇族とする「永世皇族制」ですから、寛仁(ともひと)親王家、高円宮家などを含めて、女王様の系統が皆皇族となり、ねずみ算式に増えます。今のご時世では離婚もあるでしょう。誰でも結婚すれば皇族となれ、国家予算でセレブな生活を送ることができる。離婚すれば元皇族となり、そういう人が世間にあふれます。そうなれば、そこまでして皇室を維持する必要があるのかという議論に必ずや発展します。女系を認めることは、天皇制度の終結になると私は見ています。



 ――八木先生は男系継承のために、旧宮家の皇籍復帰を提案されていますが、この提案が受け入れられていくためにはまず、女系ではなく男系継承の重要性が理解されないと議論が先に進みません。


 世論調査で七、八割が女性天皇・女系天皇を容認しているということですが、その人たちは女性天皇と女系天皇の区別が、ほとんど付いていません。女系という存在を理解もできていません。女系を容認するとどうなるかという想像が、ほとんどできていない状態です。その意味で七、八割の賛成には明確な根拠がありません。このように国民の理解をほどんと得ていない段階で結論を出してしまうのはあまりに性急です。女系天皇容認論は天皇制廃止論の変形であるということを深く理解していただきたいものです。


 愛子様は四歳になられましたが、生涯の中で一番かわいい時期です。それに目を奪われてはならない。愛子様が天皇になられること自体は問題ないのですが、問題はその次の代です。その次の代が、まさにこれまでなかった女系天皇となるのです。また、一般の家の跡継ぎ問題と混合してはならない。そもそも原理が違うのです。それは一般国民と天皇家の違いをはっきりさせるためです。そのことが国民の間で広く共有されていません。


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