1日空いてしまいまして申し訳ありません。
ではきくちゃんの見るも無惨な記者会見の続きを鑑賞していきます。
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2015/kk1502a.pdf
今日は6ページから。
(問)※6~7ページ
『確認ですが、消費者物価はこれから原油安でさらに伸びが鈍化していくと思います。これに対して金融政策で対応する必要はないというお考えでしょうか。』
ド直球。
(答)
『(言い訳含みの前置きは省略)原油価格が今後一段と下がっていき、5~10年といったタームの中長期的な予想インフレ率が下がっていくことになれば、どのぐらい下がるかにも依存しますが、前向きなポジティブな活動に影響を与えることとなり、できるだけ早くというコミットメントが必ずしも十分でなくなってしまうリスクがあるため、原油価格が予想物価にどう影響してくるかを注視していく必要があります。』
思考回路が完全に原油価格に縛られている様が窺えます。
『その場合、BEIは重要な指標の1つですが、原油価格の急落という状況において、米国でさえ中長期での予想が40%も下がってしまうというのは解せないところがあります。』
それはつまりBEIが予想物価上昇率を計るうえで適切でないということにほかならないと思いますので、早々に白旗を上げてはいかがでしょうか。
『従って、様々なアンケート調査やサーベイ調査、日銀短観での企業の物価見通し、今後の賃金動向、あるいは企業の価格設定行動などを広くみながら、予想インフレ率がどうなっているかを判断し、金融政策を決定していきたいと思っています。』
そうなると金融政策の枠組み自体を変更する必要が出てくると思いますので、早くそうしていただく(=きくちゃんが辞職する)ことを期待しております。
(問)※7~8ページ
『(前略)日本銀行が見通しを出しているコアCPIが2%に達成する時点では、コアコアCPIも2%に近づくと思うが、コアコアCPIの目先のパスについてお伺いしたい。』
(答)
『コアコアCPIが何月何日にどうなるかは非常に難しい話ですが、まずは少し短期的にみたいと思います。(中略)原油価格の下落の影響は、コアCPIだけではなく、コアコアCPIにも若干は影響します。それは、エネルギーを使わない生産やサービス活動はないためです。生産コストが安くなれば供給費用が下がりますので、エネルギーや原油製品とは直接的に関係がなくとも、下げ圧力があります。コアCPIよりはコアコアCPIの方が影響を受けませんが、短期的には影響を受けます。』
それで?
『ただ、「量的・質的金融緩和」を行っており、消費もだんだんと強くなっていきますし、原油価格の影響もなくなっていきますので、コアCPIと同じように、コアコアCPIも上昇パスに入ってくると思います。総合すると、「2015年度を中心とする期間」に物価は2%に近づいていくとみています。』
・・・ということで、「QQEの効果が出るから大丈夫」と言ってるだけで全然説明になっていませんでしたとさ。
(問)※8ページ
『甘利大臣が定例会見で、「2年程度」について、アローアンスを持って考えるべきで、あまりリジットに考えなくていいという発言がありました。これは、岩田副総裁の見立てと結果的に同じことなのでしょうか。それとも、日本銀行は「できるだけ早期」を政府より重視しているという若干のニュアンスの違いがあるのかどうか教えて下さい。
また、2015年度を中心に2%を達成するというのは分かるのですが、具体的に月々でみると、原油安が剥落して上がってくるのは秋ぐらいとみているか、冬ぐらいなのか、その時期について教えて下さい。』
(答)
『「できるだけ早期」という話は、もともと、私ども新執行部になる前の1月に政府と日本銀行とが合意している文書があり、私どもはそれに沿ってやっています。政府も同じだと考えています。』
でも先日紹介しましたように、1月23日の月例経済報告では『日本銀行には、経済・物価情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現することを期待する。』となってまして、都合の悪い内容はガン無視となっております。
『また、物価の上昇率が高まる時期について、原油価格次第ではありますが、日本銀行のシナリオは、中長期的には70ドルぐらいに向かって上がっていく前提であり、下落が始まったのが2014年夏頃ですので、夏頃を少し過ぎた辺りから徐々に、その影響は剥落するとみていますが、原油価格次第でもう少し前後するということだと思います。』
返す返すも日銀ともあろう組織が希望的観測でモノを言うとは情けない限りでございます(T_T)
(問)※8~9ページ
『2013年3月5日の国会衆議院議員運営委員会で行った所信表明において、「就任から最初の2年で達成できない責任は自分たちにある。責任の取り方はどれが一番良いのか分からないが、最高の責任の取り方は辞職することだと認識している」とおっしゃいました。その後、答え方を変更されたこと、「電車の時刻表の通りにきっちりいかない」というような答弁をされたことは承知しています。先程も、きっかり2年ではうまくいかないとおっしゃいましたが、今、お考えにある責任の取り方とはどのようなものでしょうか。また、うまくいかなかった原因というのは、消費増税でしょうか、もしくは原油安でしょうか。4月を迎えるにあたって、期待に働きかける政策を採っている以上、これに対するご説明を頂きたいと思います。』
辞職勧告(^^)
(答)
『まず、副総裁として目標達成に向けて全力を尽くすということに変わりはないのですが、仮に、達成がどんどん遅れてしまう場合に、国会答弁では、「最終的に」とか「最高の」と言っているわけで、その前の段階の責任は「説明責任」であって、まずは説明責任を果たさなければ話にならないということだと思います。』
どうやらこのお方は「説明責任=上手い言い訳を考えること」と思っておられるようですが、これほど他人を馬鹿にした話もないと思いますよ。
『説明責任を果たすとして、その時思ったよりも遅れる理由は、消費増税なのか、原油価格なのかということですが、もちろん消費増税は、ある程度遅らせる要因となっていると思いますが、私は、主として、原油価格がこれだけ下がっているということが大きいと思います。原油価格の低下は、経済活動としては非常に良いわけで、政策委員の中央値としてはそんなに遅れてはいないのですが、就任時などに私がお話した時より遅れているのは、ここまでの原油価格の下落は予想できなかったためです。英国、米国や欧州などでも物価は下がっています。日本の場合は消費税の影響も加味されていますが、これは徐々になくなっていくと思いますので、基本的に大きな要因は原油価格の急落であろうと思います。』
(結果的に)質問者が逃げ道を与えちゃったので途中から2点目の質問の答えに逃げてます。ちょいと残念。それにしても言い訳ばっか(`ε´)
(問)※9~10ページ
『昨年10月の追加緩和は、原油安が二次的効果としてインフレ期待に悪影響を及ぼすことを懸念されたということだと思います。日本銀行の見方として、日本ではいまだにインフレ期待はアンカーされていない状況だと思うのですが、ECBや海外の中央銀行が原油安の二次的影響を懸念して追加緩和に踏み切る中で、日本では現時点でなぜ二次的影響をリスクとしてみなくてよいという状況になっているのかという点についてご説明を聞かせて下さい。』
(答)
『原油価格の下落そのものだけであれば、中長期的には物価を上げる要因となり、経済活動に悪い影響は与えないわけですが、昨年10月の時は、先程申し上げた通り、日本の場合、予想インフレ率があまりアンカーされていない中ではリスクがかなりあるのではないかと考え、追加緩和を行ったわけです。その後、BEIは上がってきましたが、原油価格下落の影響が非常に大きくなったために、今まで予想インフレ率がアンカーされていた海外でも予想インフレ率が下落し始める状況が起こりました。では、日本の多くの経済主体の予想インフレ率が下がっているのかと、追加緩和後の指標、サーベイデータをみたわけです。1年後といった期間では異なるかもしれませんが、中長期では下がっているわけではありませんでした。追加緩和以降、原油価格は一層下がっていますが、中長期の予想インフレ率にはそれほど影響していません。この間、BEIはずっと下がってはいますが、それだけでみるのではなく、もう少し広い意味での予想物価上昇率は下がっていないと思われるため、原油価格の下落に対する対応は今のところ10月の追加緩和で十分であると考えています。』
言ってることがもう無茶苦茶で、話してるうちに自分の頭が整理できない状態に陥ったものと診断したいと思います。
最後の質疑応答は割愛します。
以上きくちゃんの記者会見を見てきましたが、一言で表現すれば見苦しいにも程があるといったところでして、これ以上副総裁を続ければそれこそ日銀の信認を傷つける事態に発展する恐れがあると危惧するレベルではないかと思います。
まあそれにしてもこのテキスト作った日銀スタッフの気持ちはどんなものなんでしょう。ぜひとも聞いてみたいところです。
あーあ早く辞めてくんねえかな~
(ってか質問する側が先にそれ言えっつうの)