学連選抜存続について | 元箱根駅伝関東学連選抜のブログ

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元学連選抜の選手が学連選抜について語るためだけに作ったブログです。

予想通り、箱根駅伝への関東インカレ枠導入の片隅で、学連選抜存続は小さな記事でした。


しかし、今回の学連選抜存続を巡る攻防の詳細は記事にはならなかったけれど、本当に長く厳しい闘いだったと思います。


このブログを開設した頃から約1年、前回の第1次学連選抜廃止危機から数えると何年になるでしょうか。


存続派の学生達は前回以上の結束力と行動力で本当に頑張ってくれました。


彼等の議論を時々、耳にしていましたが、本当に多くの時間を割いて、多くのことを考えていました。


そうした彼等の中には4年生もいて、90回記念大会は編成中止になり、もう自分達が選抜に選ばれる可能性がないにも関わらず、後輩達のために本当に本当に真剣に議論し、勇気を持って闘ってくれました。


誰だって、組織の決定には従った方が楽ですし、組織から睨まれたり目をつけられることは嫌なものです。


しかも、睨まれ、目をつけられた末に「学連選抜存続」という目標を達成できるかどうかもわかりませんでした。


無駄な努力で終わってしまう可能性もありました。


そうした不安がある中でも存続派の学生達は本当に学連からの色々な圧力に耐えてよく頑張りました。



「一度廃止されたものを再び復活させる」ためには、どれだけの労力を必要とするかは他の事例で考えただけでもわかります。


青東駅伝しかり。
彩の国埼玉マラソンしかり。


世間的には「1年で何故復活したのだろう」としか思われないと思います。


しかし、この「1年で復活」という結果は、90回記念大会での編成が不意打ちで中止されてから、頑張ってきた学生達の想いが実った結果であり、学生達が自分達の運命を自分達で切り開いたということの「証」であり、大いに胸を張って良い結果だと思います。


学生達がアクションを起こさなければ、私を含む外野があれこれ騒いだところで、何の意味もありませんでした。


「廃止」という関東学連上層部の規定路線通り、あの1回限りで消滅した日本学連選抜のように簡単に関東学連選抜も廃止されたでしょう。


しかし、学生達は知恵を振り絞り勇気を出して闘いました。


その姿勢が仲間を増やし、「規定路線を変える」という快挙に成功したのだと思います。


だからこそ、学連選抜存続は「関東学連上層部が方針を変えたのではなく、存続派の学生が方針を変えさせた」ということなのです。


このことに「学生自治」としての価値と意義もあるのだと思います。


彼らが行動を起こさなければ、何も変わりませんでした。


しかし、彼らが行動を起こしたから、流れは変わった…流れを変えることができたのだと思います。


採決後に、抱き合って喜びを分かち合ったという存続派の学生達は胸にこみ上げてくるものがあったに違いありません。


多くの人は、このことに気づかないまま、91回以降の学連選抜を眺めるでしょう。


しかし、このような物語があったということは、一種の箱根駅伝のドラマであり、奇跡だと思います。


「無理」と決めつけて行動しなければ何も始まりません。


しかし、一歩を踏み出し行動を起こせば、何かを変えることができるかもしれないということを改めて教わりました。



関東学連上層部や学生執行部とは、立場の違いから激しく対立しました。


しかし、最高議決機関である学連会議での採決をフェアな記名式投票にした上で、議決が終わった後は、その議決を尊重したことで「フェアプレイの精神」があったのだと、嬉しくも思いました。


「学連選抜存続」という議決が出た以上、これからは強豪校も弱小校も、存続派も反対派もなく、ノーサイドで、互いに切磋琢磨しあいながら、最近よく言われるような「箱根駅伝弊害論」を吹き飛ばすような活躍をそれぞれの立場から目指して欲しいと思います。


私は箱根駅伝を生かすも殺すも選手次第だと思います。


箱根駅伝を走ったという経験、目指したという経験が、次の自分のステージにどういかせるかがポイントだと思います。


箱根駅伝で注目されて勘違いをしたりプレッシャーで潰れて終わるのか、箱根駅伝で過剰に注目されることを日本代表やその他の進路に進んだ際に役立てるのかは、全て選手本人の心の持ちようによると思います。


勿論、また数年後には学連選抜廃止議論が再び起きるかもしれません。


しかし、その時には次の世代がその次の世代のために、今回のような行動を学生主体で起こし、再び存続を勝ち取って欲しいと思います。


学連選抜の伝統は守られました。


90回大会だけは、何故未だに廃止されるのか理解できませんが、この掴み取った91回以降の学連選抜存続というチャンスを各大学の選手は最大限いかして欲しいと思います。



繰り返しになりますが、学連選抜を応援して下さった方々、早速コメントを下さった方々、このブログを見て下さっていた方々、そして何よりも本気でこの問題と向き合ってくれた学生達、本当にありがとうございました。


私も箱根駅伝と決別せずに済んで本当に良かったです。