「檸檬」丸善、京都に再び 閉店10年、ファンに応えて 2013年6月12日朝日新聞配信


作家、梶井基次郎(1901~32)の代表作「檸檬」の舞台となったことで知られる丸善書店が、2015年春、京都市内に再出店することになった。05年に閉店してから10年。「ファンの声に応えて」オープンを決めたという。


(中略)


今回、丸善グループの書店「ジュンク堂」が入っていた京都BALビル(中京区河原町三条下ル)の改装が決まった。この機に、ゆかりの丸善京都店を再出店することにしたという。


丸善本社は「文学に登場し、文化人の憧れの場でもあった丸善の象徴として、ファンの声に応えたい。できれば関西圏の旗艦店としての構成を考えたい」と話す。(北垣博美)


蝉丸のブログ

随分と乱暴で単純な記事だというのが第一印象。まぁ、このトピックを扱うどの新聞もそうなのですが。


別に「ファンの声に応えて」再出店されるわけでも何でもない。


ジュンク堂書店京都BAL店が改装のため閉店した(現在は朝日会館に間借り(?)して営業中)、その改装が終わればもともと戻ってくる予定があった(もちろん、戻らずそのまま閉店という選択肢もあり得た)、その屋号を、同じ企業グループの「丸善」にするだけのことで、こんなものは復活でも何でもなく、ほぼ既定の方針を微調整して公表したに過ぎない。


「グループは同じだけど会社は違うでしょ、だったら復活でしょ」というわけではない。ジュンクも丸善書店も、現在の社長は同一人物でジュンク堂の創業者、そして双方の現実の力関係は、ジュンク堂によって丸善書店が吸収されたもので、グループのブランドイメージを維持担保するために「丸善」という名が体よく使われているに過ぎない。この点、「丸善グループの書店「ジュンク堂」」という表現は一見事実なのだが、真実ではない。なお、ちろん言うまでもなく、こうした出店施策が悪いというわけでは、全然ない。


実際の利用者にして見れば、もはや屋号などどうでもいい。地元でスタンバイしている記者なら、「大本営発表」を鵜呑みにせず、もうちょい調べてくれ。そして、問題はもっと他にあるでしょう。