リサ・ランドール異次元は存在する (NHK未来への提言)/リサ・ランドール
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marymagdalen さんの記事やいただいたコメントに紹介されていた、ハーバード大学物理学教授のリサ・ランドール女史の著書の1つ、『異次元は存在する』を読んでみました本キラキラ

書店にてちょっと立ち読みをしているうちに気がつくと夢中で頁をめくっていて、即 購入しました合格

maryさんにこの場を借りて、こんなに興味深い本を教えてくださってことに心から感謝いたします恋の矢


この本は1999年に “5次元世界の存在” についての論文を発表し、

『ワープする宇宙 -5次元時空の謎を解く(原題:Warped Passages: Unraveling the Mysteries of the Universe's Hidden Dimensions)』

という著書が全米でベストセラーになったリサ・ランドール女史と、日本人宇宙飛行士(NASA 搭乗運用技術者)としてご活躍中の若田光一氏との対談形式になっていて、理論物理学者と宇宙工学士という“似て異なる”分野のお二人が、異次元の新理論とその可能性についてとても深い内容で語り合います。

5次元=eの(-klrl)乗 x (縦 + 横 + 高さ - 時間) + 5次元方向への距離


なんて方程式を見ても私などにはチンプンカンプンなのですが、

つまりは私達が暮らす縦・横・高さから成る3次元空間に時間軸を加えたものが4次元時空。

そして4次元時空にもう一つの空間が加わった次元の存在を、第5次元だと提唱したのです。

ランドール女史は3次元の世界を、“5次元の時空にぶら下がる一枚のシャワー・カーテン”に例えました。

そして微生物から銀河系までを構成する3次元素粒子の全ては、このシャワー・カーテン(5次元時空に浮かぶ膜のようなもの)にピタッとくっついている水滴のようなものだといいます。
また、2次元(平面世界)の人が3次元(立体世界)を知る術が無いように、私達3次元に生きる人間が5次元を認知することは、現在の科学理論では出来ないのだとも言及しています。


では、ランドール女史が定義する5次元時空の存在を証明する方法は無いのでしょうか?

1つの可能性として、本来消えるはずの無い粒子が姿を消すことが確認された場合、粒子が姿を消した先が見えない5次元時空だと定義しています。

そして今年2007年、スイスのジュネーブ郊外地下に総工費3500億円をかけて、欧州合同素粒子原子核研究機構(CERN)による『超高エネルギーの粒子衝突型加速器』の建設が進められています。

この地下施設内にて14兆電子ボルトという超高エネルギー状態が作り出され、実験の結果次第ではランドール女史の仮説が証明されるべく第一歩となるのでしょう。


また、物理的に大きな謎を残す『重力』の性質も、ランドール女史の提唱する第5次元時空の存在により、説明できるのだそうです。

重力の謎、それは“重力の弱さ“です。 例えばペーパー・クリップは、地球全体の重力が抵抗しているにもかかわらず、なぜ小さな磁石、すなわち小さな磁気力であんなにいとも簡単に持ち上がってしまうのか?というようなことです。

一般相対性理論によって、重力は時間と空間の幾何のゆがみであると唱えたのはアインシュタインですが、“重力の弱さ” は、この一般相対性理論とランドール女史の仮定する5次元時空に重力が染み出ていくからだ という観点で説明の余地が出てくるのです。

また現在の物理学で唯一、3次元と5次元の異次元間を行き来できるとされるものが、『重力』なのです。


最後に、

『5次元世界が存在するとして、私達3次元世界の住人にどんな影響があるのでしょうか?』

という若田氏の問いに、ランドール女史はこう答えています。

『かってアインシュタインが発表した一般相対性理論が、現在はカーナビのGPS(全地球測位システム)の技術に利用されていることはご存知ですか。
100年前アインシュタインがこの理論を発表したときに、将来こんなものに利用されるなんて誰が想像したでしょう。 それと同じで、5次元世界に関する様々な可能性も広がっていくのではないかと思います』


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『時空のゆがみ』 『それを利用したテレポテーションやタイムマシン』 『ダークエネルギー』 『素粒子が点ではなく、振動しているヒモであるというヒモ理論』

『本来消えるはずのない消えた粒子はどこへ行くのか』 ...

未知の世界はキーワードだけでも私にワクワクした気持ちを運んでくれます。


ランドール女史にとって見えない世界を表現するのには一番説明し易いであろう数式を一切使わずに、解り易い例えで熱意を込めて伝えてくれる彼女の本を、また読んでいきたいと思いました虹