pm 22:00 私たちは宮城県石巻市へ出発した。

HELLO ENDING

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東日本大震災が発生してすぐに、
私たちには何が出来るか みんなで話し合っていた。

「義援金を送ることだけじゃなくて、この災害を忘れない為の努力も必要だよね」

「それが結果的に継続的な支援に繋がるからね」

「私たちは何ができるかな」

「義援金も送れて、キモチも保てるものって何かな」

散々考えて、動き出していた。
しかし 中々上手くいかない。

既に震災から3週間が経過していた。

テレビは日に日に普段通りに振る舞い、
東京の街にも少しずつ灯がともりはじめる。

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「被災地へ、お手伝いをしにいこうと思うのだけど」

レコーディングの合間に仲間たちに話しかけた。
スタジオの休憩室のテレビでは、クイズ番組が賑やかな音で放送されている。

普段通りの生活を送った方が良い と言われている。
経済を回さなくてはいけない とも。

しかしいつも通りの生活の中で
私たちがいつまでもこのキモチを忘れずに 
テレビのむこう側に映る 被災した仲間たちを支援して行くことは
やはり とても難しいのだ。

「分かった。行こう。」

仲間たちは ひとつ返事で行こうと言った。
その夜は誰も何も聞かなかった。