これを勇気と呼べますか? | 世界一周ブログ ~世界一周大百科~

これを勇気と呼べますか?

愚か者のイカロスは落ちて命を失った・・・

前々回の記事で書いた「勇気ひとつを友にして」という歌。
その元となったギリシャ神話の「イカロスの翼」に関する物語を紹介します。

イカロスは脇役なので、ほんの少ししか登場しませんが
おもしろい話なので、物語の一番最初から書いていこうと思います。


昔、フェニキア(現在のレバノン)にエウロペという王女がいました。

最高神ゼウスは、エウロペの美しさに目をつけます。
そして、エウロペをなんとかして自分のモノにしようと企みます。

考えたゼウスは、美しい牡牛に姿を変えてエウロペに近づき、
油断したにエウロペを、そのまま背に乗せてクレタ島へ連れ去ります。

そして、ゼウスは、クレタ島でエウロペと交わった後、
「英雄が生まれるだろう」と告げて、牡牛の姿で天へ帰っていきます。

※ この牡牛が星となり、牡牛座になったといわれています。
※ また、 エウロペ(Europe)の名は、ヨーロッパの語源となりました。


その後、ゼウスとエウロペの間にミノスという男児が生まれ、
ミノスは、英雄が生まれるという予言どおりクレタ島の王となります。

ミノスは、海神ポセイドンにお願いして
王位継承の証として生け贄にするための牡牛を譲り受けます。

しかし、ミノスはその牡牛のあまりの美しさに生け贄にするのが惜しくなり、
別の牡牛を生け贄に捧げて、美しい牡牛を自分の物にしてしまいます。

これに怒った海神ポセイドンは、ミノスの妻パシパエに呪いをかけます。
その呪いによって、王妃パシパエは牡牛に性的魅力を感じてしまうのです。

パシパエは我慢できなくなり、発明家ダイダロスに相談します。
そこで、ダイダロスは中が空洞になった牝牛に似せた模型を作ります。
そして、パシパエは牝牛の模型の中に入って牡牛と交わるのでした・・・。

そうして生まれたのが、頭は牛・体は人間の怪物ミノタウロスです。
ミノタウロスは、成長して乱暴さを増し、手におえなくなります。

そこで、ミノス王はミノタウロスを閉じ込めるために、
ダイダロスに命じて、迷宮ラビュリントスを作らせます。
(英語では、labyrinth ラビリンス 迷宮)

さらに、ミノタウロスをおとなしくさせておくために生け贄を与えました。
その生け贄とは、戦争で勝利したアテネの少年7人と、少女7人でした。

毎年のようにミノタウロスの餌として、少年少女を献上させられるので
ついに、アテネの王子テセウスが、ミノタウロスを退治すると自ら名乗り出て
生け贄の一人として加わります。

テセウスは、クレタ島に生け贄として送られますが、
そこで、ミノス王の娘アリアドネが、テセウスに一目惚れしてしまいます。

王女アリアドネは、心配で仕方ありません。
もし、テセウスがミノタウロスを倒したとしても、
ラビュリントスは一度入れば、二度と出れない迷宮・・・。

アリアドネは、ラビュリントス設計者ダイダロスに相談に行きます。
ダイダロスは、アリアドネに糸玉を使う方法を教えます。

アリアドネは、その方法をテセウスに知らせ、
迷宮から抜け出せたら、私をアテネへ連れて逃げてとお願いします。

テセウスは、見事にミノタウロスを倒し、
入り口に結んでおいた糸玉の糸をたぐり迷宮から抜け出します。

そして、アリアドネを連れてクレタ島から脱出したのです。

そのことを知ったミノス王は、アリアドネを手助けしたのは
ダイダロスに違いないと、ダイダロスと、彼の息子イカロスまで
迷宮ラビュリントスに閉じ込めてしまいます。

迷宮ラビュリントスは、設計者のダイダロス自身でも
抜け出すことは不可能なのです。

発明家ダイダロスは、それなら空から抜け出してやろうと、
鳥の羽根をロウで固めて、大きな翼を作ります。

そして、ダイダロスは、飛び立つ前に息子のイカロスに注意します。

「あまり高く飛びすぎるなよ!」

二人は翼をつけて空へ飛び立ちました・・・。

それを見た、人々は「あれはなんだ?神だ!」と驚きます。

それを聞いたイカロスは、いい気分になって
さらに高く、さらに高くと調子に乗って舞い上がっていきます。

そして・・・

太陽の熱で、翼を固めていたロウが溶け出し
イカロスは海へ真っ逆さま・・・。そのまま死んでしまいました・・・。


これがギリシャ神話でのイカロスの話です。


ギリシャ神話には、いろいろな教訓が含まれています。

この場合は、若い頃はその若さゆえに誰しも無茶をするものだ。

しかし、親の忠告も忘れ、調子に乗りすぎると命を失うこともあるんだよ。


イカロスは、調子に乗りすぎて無謀にも空高く舞い上がり落ちて命を失った。

これは勇気ではないですよね・・・。


下の絵で、どこにイカロスがいるかわかりますか?

イカロスの墜落のある風景(ピーテル・ブリューゲル)
世界一周ブログ ~世界一周大百科~-イカロス


右下に、海に落ちて足だけ見えているのがイカロスです(笑)



次回の記事は、

世界一周で必要とされる勇気についてです(^-^)/

↓ ↓ ↓

世界一周ブログ ~世界一周大百科~-世界一周ランキング
世界一周 人気ブログランキングへ


いつもクリックありがとうございます☆-(^O^)/


読者登録してね ← earthling