マーシャル諸島共和国 | 世界遺産ブログ

マーシャル諸島共和国

マーシャル諸島共和国マーシャル諸島という国は、29もの環礁から成り立っている。環礁とは、リング状に形成された珊瑚礁のこと。そのためこれら環礁は、太平洋に浮かぶ「真珠の首飾り」と呼ばれている。暫定リストに記載されている物件も、そのほとんどが「環礁(atoll」である。


中でもビキニ環礁は、一般にもよく知られている環礁なのかもしれない。容易に想像できるようにビキニという水着は、このビキニ環礁が名前の元になっている。この水着が発表された年、ビキニ環礁において原爆実験(クロスロード作戦:1946年)が行われた。その衝撃が命名のきっかけになったと言われている。


また日本の特撮映画でゴジラという怪獣が有名だが、この怪獣もここで行われた水爆実験(キャッスル作戦:1954年)が誕生のきっかけとなっている。太古より海底で眠っていたゴジラが、水爆実験によって目覚めるという設定で、人間社会を襲う映画「ゴジラ」は、水爆実験に対する抗議の意味があると言われる。


特に「ブラボー(Bravo)」と呼ばれる実験は、予想を遥かに超える放射能の拡大で、周辺のマーシャル諸島住民や、日本の漁船をも被曝させたことでも知られている。環礁の一部には、この時にできた直径2km近くものクレーターが今も残る。首飾りにも喩えられる美しい自然の裏側で、今も傷痕を残す負の遺産


暫定リスト全4件

Northern Marshall Islands Atolls (2005) 複合遺産
Bikini Atoll (2005) 複合遺産
Likiep Village Historic District (2005) 文化遺産
Mili Atoll Nature Conservancy (and Nadrikdrik) (2005) 自然遺産