応援している、と口にする以上は、行かねばならない重要な試合。
日本クラブユースサッカー選手権関東大会9位決定トーナメント。
この9位には、全国大会出場がかかっているのだ。
那須スポーツパークにたどり着いてみれば、ベンチ入りしているはずのGKがビデオカメラを回している姿に驚く。最小人数での遠征。
ベンチには、怪我からやっと復帰したばかりの、数日前まで別メニューだった選手が何人も。
とても間に合わないと思われた選手もいる。
そこには監督が彼らに賭けた期待の大きさを窺わせるものがある。
先に失点、追いついてもさらに先行される苦しい展開。
ディフェンスに2枚ついていながら、詰めきれずにミドルシュートを決められたときには、共に応援していた方と顔を見合わせてしまった。
これでは応援の声を出す気にもなれない、とぼやきながら。
しかし、途中投入された大型CBのファーストタッチとなったヘディングは、起死回生の同点ゴール!
PK戦へとなだれこむ。
PK戦の練習をしていたのは知っている。
しかし、修学旅行で正GKを欠き、練習したはずのPKのコースは甘く、相手はさらに練習をしてきたのを感じさせる素晴らしいコースとスピードで決めていく。
先攻するレッズユースの5人目、わずかにコースがブレてバーを叩いた。
オサマが落ち着いて決める。
勝てるとも思えなかった試合を、ヴェルディユースはものにした。
終わってみれば勝っている、ヴェルディユースの粘りが戻ってきた。
2日め、全国大会を夢見る横河武蔵野と対戦。相手は試合メンバー以外の選手たちも揃って応援していた。
絶対に負けられないシビアに勝敗が問われる試合を彼らは経験したことがあっただろうか?
GKのミスで失点するまでは、彼らの勢いに勝利の可能性はあった。
しかし、失点をしてしまえば、ヴェルディユースというブランド名が彼らの頭にちらついただろう。
2失点した時点で、あのヴェルディユースから2点を取り返せるはずがない、と弱気が見えた。
最後はヴェルディユースの怪我上がりの選手たちの調整試合と化した感があった。