真台子は、1191年栄西禅師が茶の種を入れた打雲大海という茶入れと一緒に中国から持ち帰られたという。
いつから、その台子一式でお茶を立てられるようになったか記録にはない様である。
だが、鎌倉時代には栄西禅師が書いた喫茶養生録が武士たちに読まれて、抹茶のブームが起こった。
始まりは当然、禅寺で台子一式の皆具は仏具という。
人々の病を救うためにも、抹茶は広められたのである。
漢方から喫茶へと、室町になり発展する。
茶はどんどん品種改良され、味も飲みやすく美味しくなったという。
室町中期には、能阿弥によって人前でする台子のお茶が始まる。
台子は台子の間から人前に出た。
その時代に、赤松貞村という青年武士、19歳が天皇の前で台子の茶を将軍の快気ゆわいにしたというのが記録に残る最初である。
将軍は天皇からお見舞いに頂いた、青磁雲竜の水差し、鎌倉茄子の茶入れ、花山天目などと御園の茶まで使ってお点前を青年にさせたという。
炉のお稽古では、やっと行台子と真台子の奥伝が終わった。
皆さん、茶道のルーツを感じ取ってくれただろうかと気になっている。
台子は順番ではない、歴史の重みを源を感じ取れればいつか自分に自然に茶道の本来の姿が見えてくるのである。

