冬の茶花は椿があるので茶人は救われる。
椿は今頃は白玉椿などの蕾がよい。
冬は茶花がない。
椿の蕾に三枚の葉でもあれば、茶花。
軸を上げて、後座にはそれだけでよいと思う。
ただ、椿は蕾が落ちる。
昔は武人が多く、これを首が落ちると言って嫌った。
私も床の間に椿が落ちるのは好きではない。
学生のころは、それで侘助という椿を好んだ。
まだ時期は早いが、開いても小さく開くため落ちることはない。
それでいて、とても可憐な椿。
奥ゆかしく、品があり茶花としては最高だと思っている。
2月まである。
近くでは水戸の後楽園の侘助が大きく、立派である。
時期が来るとその真っ赤な侘助を見に行くのが楽しみ。
7メートルはあるだろうか?
昔、浜松で賀茂本阿弥という珍しい椿を買ってきた。
妻の実家に植えたので今はない。
朴伴という椿を家内の母に頂いた。
紅が深い色で花びらに囲まれて雌蕊、雄蕊が仲良く包まれている、夫婦が睦まじくという意味でその名があるという。
珍しい椿なので、一番安全な母の実家に移植した。
お蔭で、毎年たくさん花をつけてくれる。
冬の寒い中に一輪の椿。
日本人の美意識には、その控えめで奥ゆかしい花の姿はぴったりなのだろう。
好きな方は、種から育てるという。
今日も生徒さんから椿を頂いた。
大事にそのまま、花入れに入れた。