敵は庶民 | 逍遥録 -衒学城奇譚-

敵は庶民

5月から……おっと、もう明日か、ガソリンの値段が上がりますね。

リッター30円アップで、史上最高値だって?

おいおい、ふざけんじゃないよ。

元にもどるんじゃなくって、暫定税率は終わったワケだから、コレは増税ですよ。

言葉遊びにだまされないようにね~


自公与党のたいそうおエライしぇんしぇい方は、何でも国民生活に混乱をきたしてはいけないからと云って、もったいなくも増税をしてくださるそうです。

ありがたくって感謝の気持ちでいっぱいですが、そのおココロづかいだけで、もうたくさんです。

いやいや、つーかさ、そんな瑣末なコトに気ィきかせなくってよいですから、このまま低いままにしとってってばさ。

どうせなら「自分たちの権益のために増税をするから、下民は四の五の云わずに、黙って銭を出せ」って本音を云やぁいいモノを、ボクらをダシにするのはやめてもらいたいです。


さて……先日の補欠選挙では、保守王国山口で民主候補が圧勝しました。

一地方とはいえ、ガソリン税、年金、医療制度に言及した今回の選挙での結果は、ボクら庶民の望むトコロがどのあたりにあるのか、ハッキリしたと思います。

コレに対して自公与党は「コレは“民意”ではない」と主張していますが、そうは思えません。


多くの庶民は、ガソリンが高くなるのは反対ですし、もし徴収するのであれば、国交省のムダをなくした上で、さらには一般財源化し、福祉や社会保障に使ってほしいと云っているようです。

ムダな道路NO!!が、国民の大勢だと思います。

そりゃ確かに、国の財政は厳しい。

しかしだからと云って、ボクら庶民には自分たちの生活が一番大事なのだ。

自分たちの生活が満ち足りて、ようやく大きなコトに眼をむけられる。

国は庶民が充分に安定した暮らしを確保するためにあるべきであって、国(つーか、一部の権益の受益者)を保つために庶民にガマンを強いるのは、本末転倒です。


またボクとしては、一度懐に入ってしまった税金が、適正に使われる可能性は低いと疑っていますので(消費税だって福祉目的のはずだったのに、まったくソッチ方面に使われていないようです)、一般財源化などにせず、そのままガソリンの値段を現状のまま維持した方が、ナンボかマシだと思います。

ガソリン税を地方自治体へ移管させるって意見もありますが、地方自治体の首長や議員など、もっとそういった業界との癒着は深く、安易におこなえば別の利権構造を作りだしてしまう結果になるだけではないでしょうか。


今回の自公与党が主張する増税のもっとも笑える詭弁のひとつが「ガソリンが下がると車を使って、環境に悪い」ってな理屈です。

こんなコトをホンキにするヤツがいたら、一度脳みそを洗浄した方がよいと思います。

ガソリンを高価にして、強制的に自動車を使用できないようするコトの、何が正しいのか?

環境のために経済を抑制しろと云っているのですよ。

普段だったら経済発展のために環境や文化は滅びろと思ってる連中がですよ、いつもとはまったく逆のコト云ってるなんて笑えますね。

大体、自動車は走らなくても、道路建設にともなって、すさまじい環境破壊がおこなわれるのです。

一体どこをどうひねくり回せば、そんなアクロバットな理屈になるのか、いっそ知りたいぐらいです。


あちこちの自治体では、道路が造れない、整備できないって云って、工事をストップさせたようです。

ですがあの産経新聞ですら、コレまでの積立金から今年度の工事費ぐらいは捻出できるって記事を書いたらしいです。

ソレがホントなら、工事が止まっているのは、あきらかに公共工事でメシを喰ってる土建業・建設業への兵糧攻めであって、さらには補助金の不足を理由に教育・福祉への予算がないって云うのは、庶民へ対するイヤガラセ、脅迫です。

お上は、すでに庶民を敵とみなしているのでしょうか?

山口の選挙も、きっと腹がたったでしょうね。

ムシケラ同然の庶民が、お上に逆らって野党なんぞを勝たせるなんて、とんでもない非国民どもって思ったに違いありません。

だから庶民への仕返しですよ、コレは。

少なくともコーメー党は「民衆と平和の党」どーちゃらとゆー寝言は、正式に下ろしたほうがよろしいでしょう。


さてさて……本日(4月30日)、租税特別措置法改正案が衆議院で可決される予定ですね。

フクダ君は今度の増税について「国民に説明をして理解を求める」と云っていましたが、彼はこの1ヶ月何をしてきたのでしょうか?

「必要だ、必要だ」って云うばかりで、使い方を見直すってワケでもない、どんなビジョンで使うとも云わない、

ただ「黙って云うコトを聞けッ!」って姿勢です。

道路を造るのは“民意”だって?

アナタのおっしゃる“民意”とやらは、アナタやアナタたちとつるんでいるほんのひとにぎりの特権階級サロンの会員の意見のコトじゃないんですか?


ホントに理解してもらいたいならば、とっとと選挙をして、その“民意”とやらに信を問うてみたらどうでしょうか?


* * *


夜にフクダ首相は会見をおこなって、理解を求めるらしいですが、おそらくあきれるぐらい中身がなくて無責要任な発言でしょう。

退陣会見になりゃよいのに……

一応じっくりと拝聴させてもらおうとは思いますが、何かどーでもいいや。

何か感じるトコロがあったら、また記事にするかもしれないけどね。


※実は民法の規定によって祝祭日の翌日がみなし否決の満了日になるので、実は明日が再可決できる日では……とのハナシ もありますが、どうなんでしょう?

法律にくわしいヒト、わかりますか?

もしそうなら、自公与党はもちろん野党やメディア、それに法律のプロは何やってたんでしょう?


* * *


追記(平成20年5月1日 午前0:30)


暫定税率復活。

フクダ首相の会見を観ましたが、国民に負担を強いるコトを、無表情で、無感情で押しすすめようとしているだけの書類がひとそろえ、ヒトの形をしてあの場にいただけでした。

彼らはボクら庶民が、不当に豊かな暮らしをしていると思っているのでしょうか?

だからソレを取りあげ、押しつぶしてしまわなければならないと考えているようです。

やはり彼らにとって、ボクら庶民は憎むべき敵なのでしょうか?